NPDグループから、2018年6月度の米国ゲーム小売市場規模に関するレポートが到着。売上高は前年同月比で25%増となり、この時期としては珍しく10億ドルの大台を突破。ハードウェア販売を中心に、非常に好調な1か月となりました。
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ソフトウェア:『マリオテニス エース』が首位デビュー
ソフトウェア市場の売上高は、PC込で3億7400万ドル。2017年6月と比較すると1%落ち込みました。月間1位は6月22日発売の『マリオテニス エース』でした。定番テニスゲームシリーズの最新作は、任天堂が発売したテニスゲームとしては過去最高の初月売上を記録し、総合の月間チャートでも1位を記録。任天堂プラットフォームはニンテンドーeショップのデジタル販売分を含まないものの、他の注目作を抑えて首位でデビューを飾っています。
任天堂のQ1決算報告によると、Nintendo Switch プラットフォームの海外販売分のうち、米大陸が占める割合は金額ベースで54.5%。地域ごとにソフトの人気差もありますし、この比率がそのままソフトの販売本数に該当するとは限りませんが、これを『マリオテニス エース』の販売数「138万本(国内30万本、海外108万本)」に当てはめてみると、ローンチ売上はおおよそ59万本程度ということになります。北米の比率をもとにしたざっくりとした推定でしかありませんが。
NPDのアナリスト Mat Piscatella 氏によると、6月の Nintendo Switch は、ソフト販売でプラス成長を達成した唯一のプラットフォームでした。売上高は、2017年6月と比較して2倍以上に増加しているということです。年初来のソフトウェア販売も、昨年と比べて2倍以上になっています。
スイッチソフトは定番御三家『マリオカート8 デラックス』『スーパーマリオ オデッセイ』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が今月もトップ20入り。『マリカ8DX』は6位につけています。『マリオカート8 デラックス』は年間トップ10でも9位から7位へ浮上。『スーパーマリオ オデッセイ』も10位に入ってきました。また『ドンキーコング トロピカルフリーズ』も19位に入りました。
月間2位の『God of War』は年間でも2位。まだまだ強さは健在です。『GoW』に引っ張られるようにして、今年はこれまでのところ、アクションゲームが好調です。前年と比べて30%売上が良いということです。またレースゲームは前年比22%増、シューターは13%増となっています。レースゲームに関しては、『Forza Motorsport 7』や『Gran Turismo Sport』『Need for Speed: Payback』が発売されたところに、『マリオカート8 デラックス』と『ロケットリーグ』が加わり、売上を押し上げたと指摘します。
映画公開に合わせて発売された『Lego Incredibles』は7位デビュー。2016年の『Lego Star Wars: The Force Awakens』に次ぐ販売規模のローンチとなりました。
2018年6月のUS月間チャート
- Mario Tennis Aces (マリオテニス エース)*
- God of War 2018
- Grand Theft Auto V
- The Crew 2
- Far Cry 5
- Mario Kart 8 (マリオカート8 デラックス)*
- LEGO Incredibles
- FIFA 18**
- Crash Bandicoot: N. Sane Trilogy
- Detroit: Become Human
- Super Mario Odyssey (スーパーマリオ オデッセイ)*
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)*
- Tom Clancy’s Rainbow Six: Siege
- NBA 2K18
- Call of Duty: WWII
- MLB 18: The Show
- Assassin’s Creed: Origins
- Vampyr*
- Donkey Kong Country: Tropical Freeze (ドンキーコング トロピカルフリーズ)*
- State of Decay 2
*デジタル販売分を含まず
**PCデジタル販売分を含まず
Xbox One トップ10
- The Crew 2
- Grand Theft Auto V
- Far Cry 5
- State of Decay 2
- PlayerUnknown’s Battlegrounds
- FIFA 18
- Tom Clancy’s Rainbow Six: Siege
- Crash Bandicoot: N. Sane Trilogy
- Call of Duty: WWII
- Lego Incredibles
PlayStation 4 トップ10
- God of War 2018
- Detroit: Become Human
- Grand Theft Auto V
- FIFA 18
- The Crew 2
- MLB 18: The Show
- Far Cry 5
- Vampyr*
- Lego Incredibles
- Horizon: Zero Dawn
Nintendo Switch トップ10
- Mario Tennis Aces (マリオテニス エース)
- Mario Kart 8 (マリオカート8 デラックス)
- Super Mario Odyssey (スーパーマリオ オデッセイ)
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)
- Donkey Kong Country: Tropical Freeze (ドンキーコング トロピカルフリーズ)
- Lego Incredibles
- Splatoon 2 (スプラトゥーン2)
- Crash Bandicoot: N. Sane Trilogy
- Kirby Star Allies (星のカービィ スターアライズ)
- Hyrule Warriors Definitive Ed (ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ DX)
Nintendo 3DS トップ10
- Pokémon: Ultra Sun (ポケットモンスター ウルトラサン)
- Pokémon: Ultra Moon (ポケットモンスター ウルトラムーン)
- Mario Kart 7 (マリオカート7)
- Super Smash Bros. (大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS)
- Super Mario 3D Land (スーパーマリオ 3Dランド)
- Detective Pikachu (名探偵ピカチュウ)
- Minecraft
- Mario Party: The Top 100 (マリオパーティ100 ミニゲームコレクション)
- Super Mario Maker (スーパーマリオメーカー for Nintendo 3DS)
- The Legend of Zelda: A Link Between Worlds (ゼルダの伝説 神々のトライフォース2)
2018年 年間ランキング
- Far Cry 5
- God of War 2018
- Monster Hunter: World (モンスターハンター:ワールド)
- Call of Duty: WWII
- Dragon Ball: Fighterz
- Grand Theft Auto V
- Mario Kart 8 (マリオカート8 デラックス)*
- NBA 2K18
- MLB 18: The Show
- Super Mario Odyssey (スーパーマリオ オデッセイ)*
過去12か月間の売上 トップ10
- Call of Duty: WWII
- NBA 2K18
- Destiny 2**
- Madden NFL 18
- Super Mario Odyssey (スーパーマリオ オデッセイ)*
- Far Cry 5
- Star Wars: Battlefront II 2017**
- Grand Theft Auto V
- Assassin’s Creed: Origins
- God of War 2018
ハードウェア:PS4がトップ、Xbox One や Switch も好調
主要3ハードが好調なハードウェア市場は52%増で3億5000万ドルを販売。NPDは『Fortnite』の貢献が大きいと指摘します。月間トップは PlayStation 4。年間でも1位を維持しています。PS4は今年に入っても世界的に販売が好調で、ソニーは年間の世界出荷計画を1600万台から1700万台に引き上げました。
とはいえマイクロソフトも任天堂も悪くなく、売上は増加しています。前年比でXbox Oneはほぼ2倍、スイッチも50%売上が増加しています。そして最も売れたコンソールは「NES Classic (ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ)」でした。
1995年にNPDが統計を取り始めて以降、月間販売台数でファミコンが1位に立ったのは初めての出来事だとか。そういえば2016年11月にミニファミコンが発売されたときは、北米は初期出荷が少なく、初月販売台数は約20万台にとどまっていました。その時の月間1位はPS4でした。
周辺機器・アクセサリ:ゲームカード販売が過去最高の売上
ゲームカード(プリペイドカード)を含む周辺機器市場の売上高は前年同月比38%増の3億5300万ドルでした。半年で18億ドル近くに拡大しているこの分野を牽引しているのはゲームカード販売。6月は過去最高の売上を記録し、周辺機器・アクセサリ市場は2011年以降で過去最高の収益を記録しています。基本プレイ無料ソフトのゲーム内課金や、デジタル市場の広がりで、ゲームカード販売が伸びています。
『Fortnite』の影響はここでも見られ、ヘッドセットの売上は2017年6月と比べて2倍に。年初来では86%増と市場が拡大しています。
2018年6月:米ゲーム小売市場規模
- ハードウェア:3億5000万ドル(+52%)
- ソフトウェア(PCソフトを含む):3億7400万ドル(▲1%)
- 周辺機器:3億5300万ドル(+38%)
- 合計:10億8000万ドル(+25%)
2018年1-6月:米ゲーム小売市場規模
- ハードウェア:16億9000万ドル(+21%)
- ソフトウェア(PCソフトを含む):25億6000万ドル(+6%)
- 周辺機器:17億7000万ドル(+31%)
- 合計:60億2000万ドル(+17%)