2017年2月にリリースされた、ファミコン時代から続く任天堂/インテリジェントシステムズの老舗ロールプレイングシミュレーション『ファイアーエムブレム』のスマホゲーム『Fire Emblem Heroes (ファイアーエムブレム ヒーローズ)』。『スーパーマリオ ラン』を上回る売上高となっていることが、任天堂から7月の株主総会で報告されていますが、それ以降も順調に推移しているようです。
継続的なアップデートが実施されている『FEヒーローズ』。アクティブユーザー数は減少傾向にありましたが、8月に底を打ち、大型イベントの実施や新キャラクターの追加、バランス調整などが行われたことにより、9月には再び増加に転じました。任天堂によると「収益面を含めてビジネス全体が順調に推移しています」
『ファイアーエムブレム』といえば、これまで家庭用ゲーム機向けのシリーズタイトルが海外でそれほど発売されてこなかったことにより、人気の中心は日本でした。
その傾向が変化しはじめたきっかけが、ニンテンドー3DS用ソフト『ファイアーエムブレム覚醒』と、それに続く『ファイアーエムブレムif』。両タイトルとも海外でミリオンセラーを達成するなど躍進し、誕生から20年を超えるベテランながら遅咲きでブレイク。
シリーズ終了の危機を乗り越え、ゲームファンからの知名度やコア人気だけでなく、セールス面でも任天堂を代表する IP の仲間入りをはたしています。
『FEヒーローズ』では、初期こそ日本の売上高が6割を越えていましたが、徐々に海外比率が高まり、7月以降は海外売上高が日本国内を逆転しました。さらに、年末までには香港や台湾、マカオ、タイ、シンガポールの5つの国と地域での配信が決定。海外展開が加速しています。
任天堂はアジア展開にも積極的になっており、この冬には韓国と台湾で家庭用ゲーム機 Nintendo Switch (ニンテンドースイッチ) を発売予定。2018年には中国市場への本格参入も計画していると言われるなど、スマホアプリを下地に知名度を高め、家庭用ゲーム機ビジネスとの相乗効果を狙います。