発売当初からの人気により、国内外で品薄が続いている家庭用ゲーム機「Nintendo Switch (ニンテンドースイッチ)」。年間の最大商戦期にあたるホリデー商戦に向け、任天堂はこの需要に対応するために秋以降の生産体制強化を発表しています。増産が開始された後、スイッチ本体は月産200万台体制となり、これにより年2000万台の出荷に対応できる見通しであると報じられています。
DIGITIMES がサプライチェーン上流の関係者によるコメントとして報じた内容によれば、任天堂は急増する需要に対応するため、ニンテンドースイッチ本体の製造を月産200万台に引き上げました。これにより、年2000万台の出荷目標を達成できる見通しだということです。
この年末に台湾や韓国でニンテンドースイッチを発売する任天堂ですが、同ソースによると任天堂は2018年初頭に、いよいよ中国市場への進出を計画(現在、中国向けスイッチは香港で流通)。中国市場への進出が実現すれば、さらに需要が高まることが予想されることから、2018年は生産台数がいっそう引き上げられることが期待されています。
2017年3月3日に発売が開始されたニンテンドースイッチは、2017年6月末までに世界470万台を販売。牽引役となっている『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『マリオカート8 デラックス』などを中心に、ソフトも1360万本が販売。
7月には『スプラトゥーン2』が日本を中心にヒット、10月には『スーパーマリオ オデッセイ』も控えており、ハード1年目ながら人気の任天堂キャラクター、シリーズの新作が次々と登場。
過去の反省から、大きな空白を作ることなく注目作をリリースできている点も、ハードが好調な要因の1つとなっています。
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中国は2014年1月に規制を緩和し、上海自由貿易試験区内において家庭用ゲーム機の製造販売が解禁。2015年夏には全面解禁され、中国全土での販売が可能になりました。
マイクロソフトは2014年秋より Xbox One を販売開始。ソニーも2015年3月に PlayStation 4 の販売を開始しています。中国当局の統計によると、2016年、中国市場における家庭用ゲーム機の売上は前年比で56.7%増加。世界の中でも最も伸び盛りな市場となっています。
先日のニンテンドーダイレクトでは、売上高においては世界最大のゲームメーカーである中国テンセントの『Arena of Valor』のスイッチ版が発表されましたが、このサプライズも中国本土への本格進出を睨んでのものだったのかもしれません。
中国を中心とするアジア地域でニンテンドースイッチが軌道に乗れば、日米欧の3地域が中心だった任天堂のゲーム専用機事業に新たなビジネスチャンスが訪れそうです。
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