『ポケモンGO』の一人勝ち状態で、なかなか次の大ヒットと言えるようなタイトルに恵まれない位置情報ゲーム・ARゲームジャンルですが、少なくとも日本においては、いよいよポケモンに続くタイトルが現れたかもしれません。
スクウェア・エニックスの『ドラゴンクエストウォーク』は、ローンチ以来好調な推移を続けており、配信を開始してから最初の30日間で推定8,600万ドル(1ドル108円として約92.9億円)を日本国内で販売しています。
調査会社Sensor Towerの統計によれば、『ドラゴンクエストウォーク』の最初の30日間の売上は、『ポケモンGO』が販売した1億1,800万ドルの約73%となる8,600万ドル。
満を持して登場したはずだったNianticの新作『HarryPotter: Wizards Unite (ハリー・ポッター:魔法同盟)』の初月売上は、日本国内では96万5,000ドル、グローバルでも1,200万ドルにとどまっており、“ドラクエ”の世界観を活かした位置情報RPGは上々の滑り出しとなっています。
プレイヤー1人あたりの支出を見ると、『ドラクエウォーク』が『ポケモンGO』を大きく逆転します。
『ポケモンGO』プレイヤーが平均12ドルの支出だったのに対して、『ドラクエウォーク』プレイヤーは平均51ドルもの課金をしていると見られています(ただしSensor Towerによる『ドラクエウォーク』の推定DL数は170万超で、800万DLとする公式発表とはかなり開きがあります)。
『ドラクエウォーク』のヒットに、市場は早くから反応。
スクウェア・エニックス・ホールディングスの株価は、アプリ配信開始前は4,200円台だったのが配信後からぐんぐん上昇。9月30日には一時、年初来高値の5,370円をつける場面もありました。その後は少し落ち着きを見せています。
スクエニのモバイルゲーム売上(スマートデバイス・PCブラウザゲーム等)は、1四半期におおよそ200億円。仮に『ドラクエウォーク』の好調がこのまま続けば、モバイル分野の売上規模は現在の2倍以上に拡大します。そこまでとはいかずとも、最近やや伸び悩んでいたスクエニのモバイル事業の新たな牽引役として期待されます。
ファミコン時代から30年以上の歴史があるドラクエ人気を背景に国内で売上を伸ばす『ドラゴンクエストウォーク』。今後も好調を維持、また国内ほど人気の高くない海外へ展開したときにもヒットへとつなげられるでしょうか。