任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch (ニンテンドースイッチ) 」参入第1弾『FIFA 18』を9月にリリースした米エレクトロニック・アーツ (EA, Electronic Arts)。このソフトの売上は、今後もスイッチをサポートするかどうかを決める指標の1つになると言われていますが、彼らがその判断を下すのはまだ先になりそうです。
EA の CFO (最高財務責任者) である Blake Jorgensen 氏はウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者に対して「『FIFA 18』の成否を判断するにはまだ時期尚早であり、より多くのリソースをスイッチにコミットする前に、どういった需要があるのかを正確に把握したいんです」とコメント。
エレクトロニックアーツ、Nintendo Switch向けソフトの開発は急がない姿勢。Switch向けFIFA18の成否を判断するにはまだ時期尚早で、「需要を正確に読みたい」と。来年3月くらいまでは少なくとも様子見の姿勢とのこと。 pic.twitter.com/WQaw57s6qI
— Takashi Mochizuki (@mochi_wsj) 2017年11月1日
3月の発売以来、好調な販売を続けているスイッチ。任天堂は年間の出荷計画を1000万台から1400万台へ引き上げ、需要に対応すべく生産体制を整えています。
1億台以上を販売した Wii に迫る勢いを見せるスイッチでは、インディーデベロッパーから多くの成功事例が伝えられ、またベセスダ・ソフトワークスのように複数ソフトを発表し、積極的な対応姿勢を示しはじめるメーカーも現れています。ただ、最大手の一角である EA は、ハードの発売から1年が経過するタイミングまでは、まだ慎重にその需要を見極めています。
EA が展開する主力ラインナップは、『Battlefield』や『Star Wars Battlefront』など PlayStation 4 や Xbox One、PC 向けの高スペックを必要とするものが多く、スイッチへの移植は容易ではないものばかり。『FIFA 18』も人気のオンラインモード「Ultimate Team」が任天堂ハードで初めて搭載されこそしたものの、PS4 や Xbox One とは別のゲームエンジンが採用され、ゲームモードやシステム仕様は一部異なっています。
ただ、完全に様子見しているわけではなく、EA スタジオ謹製ではありませんが、小規模デベロッパーの開発支援を行うプログラム EA Originals から、第1弾の『Fe』がスイッチに対応。他の対応プラットフォーム版とともに2018年初頭にリリース予定です。