第8世代の順調な普及により、回復基調にあるアメリカのビデオゲーム市場(NPD調べ、小売店販売)ですが、デジタル市場もまた拡大が続いています。
Superdataが発表した2015年6月期におけるアメリカのデジタル市場の売上高は、前年比で18%プラスの10億2000万ドルでした。
SuperdataのCEOを務める Joost van Dreunen氏によれば、モバイルゲームの売上高は、欧米の場合、一般的に夏季は下落する傾向にあるそうです。しかしながらこの6月は5月と比較して4%伸び、2014年6月と比較した場合は20%プラスの3億6700万ドル。大きく伸びています。特にE3中にサプライズ発表かつリリースされたBethesdaの『Fallout Shelter』が印象深かったそうで、同作はリリースから2週間で推計510万ドルを販売しています。
「これまでにモバイルで様々なAAAゲームフランチャイズのスピンオフ(CoDやHaloなど)を見てきたが、Bethesdaは最大限の露出と利益を得ることに成功した」とvan Dreunen氏。
さらに「パブリッシャーの成功よりも注目したいのは、コアなゲームファンもフリー・トゥ・プレイ型モバイルゲームの優良顧客となることが証明された点だ。控えめなマネタイゼーションとオフラインのプレイアビリティを強調することで、BethesdaはF2Pに批判的なコンシューマーゲーマーの理解を得た」と続けています。
デジタル市場の成長はモバイルに限った話ではなく、家庭用ゲーム機やPC向けでも。6月は前年比で30%増加して3億1400万ドルを販売。そしてここでもBethesdaが非常に好調なメーカーの1つ。家庭用向けの『The Elder Scrolls Online』は13.8万本を販売し、『Call of Duty: Advanced Warfare』や『Grand Theft Auto V』に次ぐ3番手に付けているとのこと。ESOは有料MMO市場をけん引し、同ジャンルは久々に拡大。前年比7%アップの5000万ドルを販売しました。
デジタル市場においてF2P型のソーシャル、モバイル、MMOゲームジャンルは最大のシェアを持っており、売上高は13.5%増の6億6000万ドルだったとのこと。