WiiU『スプラトゥーン』のディレクター阪口氏が語る更新ペースの意図やギアの選び方、シリーズの今後についてなどなど


 

任天堂が5月にWii U用ソフトとして発売した『スプラトゥーン』。本作でディレクターを務めた任天堂の阪口翼氏が Nintendo Life のインタビュー取材に応じ、少しずつ開放されているアップデートの意図やギアの装備に対する考え方、バトルのアドバイス、シリーズの今後などについて答えています。

“刺激”と“慣れ”のバランスを考えて

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ある程度間隔をおいて、しかし週1回程度は行われているブキやステージのアップデートのペース。阪口氏はこの理由を「“新しい刺激”と“既にある地形やブキに慣れてもらう”こと。この2つのバランスをキープしながら、新しいフィーチャーをオープンしていきたいと考えている」と説明。

「知っている地形で、知り尽くしたブキで、同じメンバーで繰り返し遊んでいるとテンションが上がり、脳に汗をかくような状態が一番面白い点」だとして、その瞬間がゲームの中で起こるように、こうした仕組みにしていると続けています。

ギアはオシャレに

WiiU_Splatoon_fashion_5

ブキとギアのコンビネーションでは、阪口流のスタイリングが提案。

『Splatoon』のギア(衣服)には、それぞれインク効率化や攻撃力強化など様々な能力がついていて(さらに最大3つまでサブの能力が開放)、基本的にはステージに合わせて手にするブキの長所を伸ばしたり、逆に短所を補ったりといった用途で変更します。

しかし阪口氏は、一番はお洒落かどうかで考えて欲しいと、現実のファッションを楽しむようなスタイリングを提案。例えば、阪口氏はサングラスが好きで、まずサングラスをかけた上で、それに合うフクやクツを吟味するのだとか。ちなみにブキは「ジェットスイーパー」がお気に入りだそう。

今後の追加ステージについて

Splatoon - Moray Towers

タチウオパーキングが開放され、テクニカルなステージがこれから増えてきそうな気配。シングルキャンペーンの「ヒーローモード」で見ることのできるスポンジなどのギミックが登場するのかも気になるところですが、阪口氏は「ステージは、だんだんテクニカルなものをオープンしているところで、これからそういうステージが増えます。としか今は言えないです」とニヤリ。

ステージといえば、ルールが変わると同じ場所でもオブジェクトの配置も変わります。これはルールにベストなかたちでオブジェクトを設置するように考えた結果とのこと。この柱は、この壁は、この橋は……開発側の意図を考えて上手く使えるとバトルを有利に進められるとのアドバイス。ガチエリアに置いてある小さな箱にも置かれた意味があるので、考えてみて欲しいとのコメント。

立ち回り指南

また立ち回りについては、自分がされて嬉しいことを仲間にしてあげる。自分がされて嫌なことをして相手をやっつける。そういう風に考えてやっていくと、いろんな武器の使い方が見えてくると思う。いろいろブキを変えて使ってみてほしいとコメント。

たとえば、味方が敵と戦っている時に足下を塗ってあげたりだとか、ローラーが登りやすいように壁を塗っておいてあげるとか。ささやかな気配りが勝利を呼び込むカギに。

Wii Uの特長を上手く使ったソフトである手応え

Wii U GamePadのタッチパネルやジャイロコントロールの使い方であったり、Miiverse連携もスムーズに行えている印象の『スプラトゥーン』。開発チームのコアメンバーの多くは、Wii Uのローンチ期に『Nintendo Land』や『NewスーパーマリオブラザーズU』、本体のOS部分などを担当しており、その時の経験や知識を合わせて、ジャイロやタッチパネル、Miiverseといった要素を上手くまとめられたと考えていると阪口氏。Wii Uだから出来たという手応えも。

新たな定番キャラクターに

「IPとしてはこれからも是非育てていきたいし、これからも続けていきたいと考えています」とコメント。任天堂の定番キャラクターの1つとして、今後のシリーズ展開を期待できそうです。

ショーウィンドウに向かってダンス練習するのは日本だけ?

たまに登場する、ショーウィンドウに向かってダンスをしているイカ。UKの人にとってはその姿が不思議に見えたようで。夜間、大きな窓ガラスに向かってダンスの練習をするのは海外だとあまりない光景なんでしょうかね。治安の問題もあるか。

ちなみに広場にいるインクリングの動きは阪口氏を含むスタッフ4名(グラフィックプログラマー、地形デザイナーの女性、レベルデザイナーの女性)でモーションキャプチャーを行い、色々な動きをして、部分的に使われているとのこと。

最後に改めてアドバイス。

「ジャッジくんに積極的に話しかけると、ゲームのアドバイスがもらえます。結構細かいことを知ることができます。彼はこの世界のことを全部知っているんです」

「どのルールでもチームで一丸になる、チームで行動するのがすごく大事なゲーム。どういう行動がチームの為になるのかを考えると、上手く行くと思います。難しいけどそれが一番楽しいと思います」


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