セールを実施していない期間のほうが短いのではと思うほど、何かしらのタイミングで頻繁にダウンロード版の旧作セールを実施しているカプコン。『バイオハザード』『逆転裁判』『ロックマン』『モンスターハンター』など、人気シリーズがお買い得価格で提供されます。
ユーザーとしては人気のシリーズタイトルをお手頃価格で購入できる一方で、大幅値下げにより会社の利益を圧迫しているのでは?との懸念も。経営的に大丈夫なの?きちんと利益は出ているの?最近の個人投資家説明会ではその点について質問が出ていました。
セール価格で販売して利益は出てるの?
カプコンの回答としては、開発コストの償却が済んでいるタイトルであれば、発売当時の価格でなくとも利益を得られるというものでした。
デジタル販売ではパッケージや説明書、ディスクの製造などによる原価がほぼ発生しないため、7,000 円などいわゆるゲーム的な意味でのフルプライスで発売開始したタイトルを 1,000 円で販売しても十分な利益を得られると。
旧作のカタログを充実させることは幅広いユーザーに触れてもらう機会となり、ユーザー層の拡大やブランド認知向上など、カプコンにとって大きなメリットとなります。
個人投資家向けオンライン会社説明会 質疑応答概要(2023年3月23日)より
Q.昨今の好業績は、旧作を積極的に値下げして販売本数を拡大していることによるものだと思いますが、値下げによって利益が圧縮されるデメリットはないのでしょうか。
A.ゲームソフトのデジタル販売では、パッケージや説明書、ディスクの製造などによる原価がほぼ発生しません。そのため、仮に7,000円で発売を開始したものであっても、開発コストの償却後であれば、1,000円で販売しても十分な利益が得られます。デジタルで販売する商品を充実させ、ユーザーの皆様に幅広い価格帯でコンテンツを提供することで、様々なユーザー属性、幅広い国・地域で購入いただける環境は、当社にとって大きな機会だと考えています。
Via: IR資料室 | 株式会社カプコン
家庭用ゲーム市場においてもデジタル販売が普及したことで、パッケージ版販売のみでライフサイクルが短かった頃よりも格段に長期に売ることができるようになりました。以前なら数週間から長くても数か月程度だった販売期間が、数年単位で売れるように。またデジタルで価格も柔軟に設定できるようになりました。ゲーム内容を拡充する追加コンテンツの存在も長期販売に貢献しています。
PC市場での展開を含めデジタルの利点を活かしたグローバルな販売戦略を進めた結果、今ではカプコンのデジタル販売比率は80%を上回っており、営業利益率は50%を超えるまでになりました。
定期的に大型タイトルを投入できる開発力と充実の旧作カタログがカプコンの好業績を支えています。