『星のカービィ ディスカバリー』は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のようにシリーズの転換点になった


 

2022年3月に発売された Nintendo Switch ソフト『星のカービィ ディスカバリー』。カービィ本編シリーズとして初めて本格的な 3D アクションに挑戦した、新たな方向性を示した作品で、その内容・セールス両面で成功を収めています。

2017年の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が『ゼルダの伝説』シリーズを新たな方向へと導いて以降、他ゲームフランチャイズにおいてもこうした大きな変化を “ブレス オブ ザ ワイルド モーメント” だと指摘されたりすることが少なくないのだそう。『星のカービィ』もまた、大きなチャレンジとなった『星のカービィ ディスカバリー』がシリーズにおいてひとつの転換点となったようです。

ただしだからといって今後の『星のカービィ』シリーズがすべて 3D で表現されるわけではありません。何よりもゲームプレイが重視されます。

ハル研究所の熊崎信也氏(シリーズに携わって約20年、『星のカービィ ロボボプラネット』以降はゼネラルディレクター)と神山達哉氏(『星のカービィ Wii』から携わり、『ディスカバリー』ではディレクター)が GDC 2023 で海外メディア IGN の取材に応じています。

「(『星のカービィ ディスカバリー』がシリーズにとって“BOTWモーメント”のような大きな転換点だったかどうかを尋ねられ)『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』がゼルダシリーズに革命をもたらしたということであれば、『星のカービィ ディスカバリー』もある種ターニングポイントだったと思います。そして『星のカービィ』の 3D ゲームを作るという私達の前向きな継続的チャレンジの第一歩と考えることができると思います」

ハル研究所はこれまでもいくつか 3D カービィゲームを開発してきました。たとえば『カービィのエアライド』(NGC、2003年)や『カービィのすいこみ大作戦』(3DS、2017年)。派生作品やサブゲームで少しずつ 3D 開発のノウハウを蓄積しながら試行錯誤を続け、『星のカービィ ディスカバリー』でようやく本編も本格 3D アクションへ。

しかし『星のカービィ ディスカバリー』の成功があったからといって、今後のカービィシリーズすべてが 3D へ傾倒していくことを意味しません。

「プレイヤーに提供できるゲームプレイ体験の種類と、そのゲームプレイ体験をどのような形で最適化するかということが重要です。それが表現方法を決定します。最適なカービィ体験を通じて最適なゲームプレイ体験を提供する別の手法・別の方法・別の形として、私達は 3D という新たなジャンルを手に入れたというだけなのです」

ゲームプレイの重要性が繰り返し述べられているように、ハル研究所がカービィタイトルを開発する際にまず意識するのは、ゲームプレイ体験、そしてそのゲームプレイの核となるアイデアは何なのかということ。その上で適しているのは 2D なのか、それとも 3D なのかが判断されます。これまでは主に 2D が選択されてきましたが、これからは 3D も選択肢のひとつに加わります。

ちなみに『星のカービィ ディスカバリー』発売前に公開された任天堂公式の「開発者に訊きました」でも、“もっとやんちゃに、自由に” 新しいカービィを作っていけたら、あるいは “カービィらしさを大事にしながら、2Dも3Dも、もっともっといろんなことに挑戦していけたら” という話が出ています。

熊崎氏は
「(前略)カービィはまだまだ無限の可能性を秘めていますし、これからも、もっとやんちゃに、自由に、新しいカービィを作っていけたらと思います。ちょっと大げさかもしれないですけど、今作はそういう意味で、シリーズのマスターピースになったと感じています。それと同時に、まだまだ、「星のカービィ」の長い歴史の中での通過点に過ぎない、とも思っています。今後のカービィシリーズにも、ぜひご期待ください」とコメント。

『星のカービィ』シリーズには『星のカービィ ロボボプラネット』から携わり、本作ではアソシエイトプロデューサーを努めた任天堂の企画制作部・二宮啓氏は次のようにコメントしています。

「(前略)蓋を開けてみると、カービィらしくてにぎやかな遊びやすいゲームに仕上げることができて、それがすごく自信につながりました。今作を励みにして、今後も、カービィらしさを大事にしながら、2Dも3Dも、もっともっといろんなことに挑戦していけたらいいな、と思っています」


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