【NPD】2020年6月は『ラスアス2』がソニー歴代2位の出足などソフト市場が5割増


 

NPD グループから2020年6月度の米国ゲーム小売市場規模に関するレポートが到着。新型コロナウイルス感染拡大の影響から自宅で楽しめるエンタメコンテンツが人気となる中、ビデオゲーム産業も拡大が続いています。

全体の販売規模は10億ドルを超過。前年同月比で26%増の約12億ドルを達成しました。2009年6月に13億ドルを記録して以来の支出額となっています。ソフトウェアは49%増加。一方、ハードウェアはコロナ禍においてはじめて減少。17%ダウンしています。

2020年6月 米国ゲーム市場規模

2020年6月 販売金額

  • ハードウェア : 1億9,100万ドル(▲17%)
  • ソフトウェア : 5億7,000万ドル(+49%)
    ※パッケージ版および一部企業を除いたデジタル版ソフト本編売上を含む
  • 周辺機器・アクセサリ類 : 4億1,700万ドル(+29%)
    ※プリペイドカード等を含む
  • 合計 : 11億7,800万ドル(+26%)
2020年上半期 販売金額

  • ハードウェア : 16億ドル(+25%)
  • ソフトウェア : 30億ドル(+19%)
    ※パッケージ版および一部企業を除いたデジタル版ソフト本編売上を含む
  • 周辺機器・アクセサリ類 : 20億ドル(+15%)
    ※プリペイドカード等を含む
  • 合計 : 66億ドル(+19%)

2020 年は新型コロナウイルスの感染拡大だけでなく、アメリカでは人種差別や格差への抗議問題も残る厳しい年となっています。しかし少なくともビデオゲーム産業にとって、この半年間は 2019 年の同期間と比べ市場が大きく拡大する素晴らしい年となっています。

ビデオゲームの本体とソフトウェア、周辺機器・アクセサリ類を含めた2020年上半期の総支出額は 66 億ドルに達したと NPD のアナリスト Mat Piscatella 氏は述べています。この数字は昨年同時期と比べ 19% 増加しており、2010 年に 70 億ドルを記録して以降では最大となりました。

2010 年はニンテンドー DS や Wii、PlayStaton 3、Xbox 360 などの現役ハードがいずれも好調な勢いを保っていて、本体は上半期だけで 900 万台以上が売れました。ソフトも『Red Dead Redemption』をはじめ、『スーパーマリオ ギャラクシー2』や『NEw スーパーマリオブラザーズ Wii』『Just Dance』『Wii Fit Plus』などコアからカジュアルまで幅広い層によく売れていました。

ソフトウェア

※NPD の集計データには小売店で販売されたパッケージ版およびパブリッシャーから提供されるデジタル版販売データが含まれます。ただしデジタルは全ての企業がデータを提供しているわけではなく、任天堂の自社販売データや Activision Blizzard の Battle.net の数字は含まれません。またチャートにはマイクロトランザクションやサブスクリプション、ゲーム本編以外の売上は含まれません。

2020年6月 月間 トップ20

  1. The Last of Us Part II
  2. Call of Duty: Modern Warfare
  3. Animal Crossing: New Horizons (あつまれ どうぶつの森)
  4. Grand Theft Auto V
  5. Mortal Kombat 11
  6. Red Dead Redemption II
  7. Ring Fit Adventure (リングフィットアドベンチャー)
  8. NBA 2K20
  9. Mario Kart 8 Deluxe (マリオカート8 デラックス)
  10. Minecraft Dungeons
  11. Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)
  12. Rainbow Six: Siege
  13. Minecraft: PlayStation 4 Edition
  14. The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)
  15. Star Wars Jedi Fallen Order
  16. Borderlands 3
  17. Need for Speed: Heat
  18. P4G: Persona 4 Golden (ペルソナ4 ザ・ゴールデン)
  19. SpongeBob SquarePants: Battle for Bikini Bottom: Rehydrated
  20. Assassin’s Creed: Odyssey

2020 年 6 月のソフトウェア市場は 2019 年 6 月と比べ 49% 増加し 5 億 7,000 万ドルを記録しました。この数字は 2010 年に 5 億 9,800 万ドルを達成して以来の規模です。年初来の売上高も 19% 増加して 30 億ドルでした。

2020 年 6 月の1 位は『The Last of Us Part II』。年間順位も初登場で『Call of Duty: Modern Warfare』や『あつまれ どうぶつの森』についで 3 位につけています。過去 12 か月の売上では 8 位に入りました。

Piscatella 氏によれば、『The Last of Us Part II』は2020年発売ソフトの中で最大のローンチセールス(売上高)を記録。ソニー発売タイトルとしては、2018 年 9 月に発売された『Marvel’s Spider-Man』に次ぐ歴代 2 位の初月売上高を見せています。

一方で『CoD: MW』(2位)と『あつ森』(3位)もまだまだ人気を集めています。『GTA V』(4位)は超ロングセラー。

日本でミリオンセラーとなりまだ品薄が続く『リングフィットアドベンチャー』は 7 位に入りました(5月は品切れにつき 835 位)。アメリカでもクチコミで広がっているようで、運動不足を解消したい、自宅でできる運動方法を探す Nintendo Switch ユーザーの心をつかんでいるようです。

このほか、Steam 版が発売された『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』が 18 位に登場。『ペルソナ5』のヒットが記憶に新しいところですが、『4』も人気となっています。

2020年 1-6 月の売上 トップ10

  1. Call of Duty: Modern Warfare
  2. Animal Crossing: New Horizons (あつまれ どうぶつの森)
  3. The Last of Us Part II
  4. Final Fantasy VII Remake (ファイナルファンタジーVII リメイク)
  5. Grand Theft Auto V
  6. NBA 2K20
  7. Dragon Ball Z Kakarot (ドラゴンボールZ KAKAROT)
  8. MLB: The Show 20
  9. Resident Evil 3 (バイオハザード RE:3)
  10. Madden NFL 20

過去12か月(2019年7月〜2020年6月)の売上 トップ10

  1. Call of Duty: Modern Warfare
  2. NBA 2K20
  3. Madden NFL 20
  4. Borderlands 3
  5. Star Wars Jedi: Fallen Order
  6. Grand Theft Auto V
  7. Animal Crossing: New Horizons (あつまれ どうぶつの森)
  8. The Last of Us Part II
  9. FIFA 20
  10. Mario Kart 8 Deluxe (マリオカート8 デラックス)

Xbox One 売上 トップ10

  1. Call of Duty: Modern Warfare
  2. Grand Theft Auto V
  3. Mortal Kombat 11
  4. Minecraft Dungeons
  5. Rainbow Six: Siege
  6. Star Wars Jedi Fallen Order
  7. Call of Duty: Black Ops III
  8. Minecraft: Xbox One Edition
  9. Forza Horizon 4
  10. NBA 2K20

PS4 売上 トップ10

  1. The Last of Us Part II
  2. Call of Duty: Modern Warfare
  3. Grand Theft Auto V
  4. Mortal Kombat 11
  5. Minecraft: PlayStation 4 Edition
  6. MLB: The Show 20
  7. NBA 2K20
  8. Marvel’s Spider-Man
  9. Red Dead Redemption II
  10. Final Fantasy VII Remake (ファイナルファンタジーVII リメイク)

Nintendo Switch 売上 トップ10

  1. Animal Crossing: New Horizons (あつまれ どうぶつの森)
  2. Ring Fit Adventure (リングフィットアドベンチャー)
  3. Mario Kart 8 Deluxe (マリオカート8 デラックス)
  4. Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)
  5. The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)
  6. Xenoblade Chronicles: Definitive Edition (ゼノブレイド ディフィニティブ エディション)
  7. Just Dance 2020
  8. Pokémon Sword (ポケットモンスター ソード)
  9. New Super Mario Bros. U Deluxe (New スーパーマリオブラザーズ U デラックス)
  10. The Outer Worlds

ハードウェア

2020 年 6 月のハードウェア市場の売上高は前年と比べ 17% 減少して 1 億 9,100 万ドルでした。2月以降は前年超えが続いていたハード売上ですが、ここへきて減少に転じています。

Piscatella 氏はこの落ち込みは、自宅で楽しめるエンタメを探し求めていた家族の多くが 4 〜 5 月までにハードを購入していた結果として起きたこと、あるいは飽和状態にあった PS4 / Xbox One の勢いが、年末に予定される PS5 / Xbox Series X の姿が具体的に見えたことで鈍ったことが影響したのではないかと分析。次世代機の話がまだ出てこない Nintendo Switch は売上高・販売台数ともに 6 月のトップでした。

周辺機器・アクセサリ類

ハードウェア販売は減少に転じましたが、ビデオゲームに対する関心は高いまま。ソフトウェアと周辺機器・アクセサリ類市場は活況でした。このカテゴリの 2020 年 6 月の売上高は 29% 増加して4億1,700万ドルでした。年初来の売上高は 15% 増の20億ドルで、どちらも過去最高を記録しています。

マルチプレイ環境を整えたいユーザーが多いようで、コントローラーやコミュニケーション用のヘッドセットがよく売れています。コントローラ、ヘッドセット/ヘッドホン、ハンコン、コントローラの機能拡張といった分野が過去最高売上を更新。6月そして年間でこれまで最も売れているのは「Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ 2」でした。


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