NPDグループから2019年11月の米国ゲーム小売市場規模が報告(一部デジタル販売を含む)。全体では前年から19%減少の22億5,100万ドルとなりました。
ポケモン完全新作の『ポケットモンスター シールド・ソード』がフランチャイズ史上最大のローンチとなった一方で、昨年の『Red Dead Redemption 2』の反動減が響き、大きなマイナスとなっています。
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2019年11月 米国ゲーム小売市場規模
- ハードウェア : 8億9,100万ドル(▲26%)
- ソフトウェア : 9億2,600万ドル(▲14%)
- 周辺機器・アクセサリ : 4億3,300万ドル(▲14%)
- 合計 : 22億5,100万ドル(▲19%)
※ソフトウェア販売にはPC、家庭用ゲーム機のパッケージ版および一部デジタル販売(Steam、Xbox、PlayStation)が含まれます。
2019年11月の米ゲーム業界は、すべての項目で前年から二桁減という厳しい数字となりました。中でも次世代機へと関心が移りつつあるハードウェア市場の減少が顕著で前年から26%減で10億ドル割れ。ソフトも14%減で10億ドルを割り込みました。同様に周辺機器・アクセサリ類も14%減でした。
2019年11月までの年初来の累計売上高は116億ドル。前年比で12%減少しています。年初来の売上高は、9月までは前年並で推移していましたが、10月には10%減の93億ドルになりました。
昨年10月に何があったのかというと、『Red Dead Redemption 2』と、例年よりも発売時期を少し早めた『Call of Duty: Black Ops 4』。毎年10月に発売される『CoD』よりも『RDR2』発売の影響が大きく、2019年10月の米ゲーム市場は前年比で34%減となりました。11月も『RDR2』の反動減が数字に反映されており、フランチャイズ記録を更新した『ポケモン剣盾』でも相殺できませんでした。
ソフトウェア : 2か月目の『CoD: MW』が首位
2019年11月 US ソフト売上 トップ20
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- Star Wars Jedi: Fallen Order^
- Pokémon Sword (ポケットモンスター ソード)*
- Pokémon Sword and Pokémon Shield Double Pack (ポケモン ソード・シールド ダブルパック)*
- Pokémon Shield (ポケットモンスター シールド)*
- Madden NFL 20
- Death Stranding (デス・ストランディング)
- NBA 2K20
- Need for Speed: Heat
- Luigi’s Mansion 3 (ルイージマンション3)*
- FIFA 20
- Borderlands 3
- The Outer Worlds
- Just Dance 2020
- Mario Kart 8 (マリオカート8 デラックス)*
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)*
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Tom Clancy’s Ghost Recon: Breakpoint
- Grand Theft Auto V
- Mortal Kombat 11
* デジタル販売を含まない
^ Steam版の販売は含まない
ソフトウェア市場の売上高は、前年から14%減少して9億2,600万ドルとなりました。年初来では8%減の54億ドル。Nintendo Switchソフト市場は拡大しているものの、その他ハードの落ち込みを相殺できませんでした。
月間1位は『Call of Duty: Modern Warfare』。2か月目も強く、年間1位の座を盤石にしています。また2019年11月までの過去12か月の間で最も売れているソフトともなっています。
2位に入ったのは、Electronic ArtsとRespawn Entertainment(主な開発:『タイタンフォール』シリーズ)による『スター・ウォーズ』ゲームの新作『Star Wars Jedi: Fallen Order』でした。『Star Wars Battlefront II』を経て売上目標を過去タイトルから下げているEAですが、『Star Wars Jedi: Fallen Order』は順調な立ち上がり。早くも年間9位につけています。
また2015年の『Star Wars Battlefront』に次いで『Star Wars』ゲームとして米国歴代2位の初月売上を記録。Respawn Entertainment開発タイトルとして過去最高の初月売上でデビューを飾っています。
3位はポケモンRPG完全新作の『ポケットモンスター ソード』。もう一方の『ポケットモンスター シールド』は5位に入りました。2バージョンをまとめた『ダブルパック』はその間、4位につけています。3つすべてを組み合わせると2016年の『ポケットモンスター サン・ムーン』を上回ってポケモンフランチャイズ史上最大ローンチとなり、順位も『Star Wars Jedi: Fallen Order』をかわして2位に浮上するのだそう。
著名俳優のノーマン・リーダスやマッツ・ミケルセンを起用するなど発表当初から注目を集め、大規模プロモーションを経て遂に発売された小島監督の最新作『デス・ストランディング』は7位にとどまりました。
2019年 年間トップ10
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- NBA 2K20
- Madden NFL 20
- Borderlands 3
- Mortal Kombat 11
- Kingdom Hearts III
- Tom Clancy’s The Division 2
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Star Wars Jedi: Fallen Order^
- Anthem
過去12か月間の売上トップ10
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- NBA 2K20
- Madden NFL 20
- Red Dead Redemption II
- Borderlands 3
- Mortal Kombat 11
- Call of Duty: Black Ops IIII
- Kingdom Hearts III (キングダム ハーツ III)
- Tom Clancy’s The Division 2
Xbox One
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- Star Wars Jedi: Fallen Order
- Madden NFL 20
- NBA 2K20
- Need for Speed: Heat
- FIFA 20
- Borderlands 3
- Tom Clancy’s Ghost Recon: Breakpoint
- Red Dead Redemption II
- The Outer Worlds
PlayStation 4
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- Star Wars Jedi: Fallen Order
- Death Stranding (デス・ストランディング)
- Madden NFL 20
- Need for Speed: Heat
- NBA 2K20
- FIFA 20
- The Outer Worlds
- Marvel’s Spider-Man
- Borderlands 3
Nintendo Switch
- Pokémon Sword (ポケットモンスター ソード)*
- Pokémon Sword and Pokémon Shield Double Pack (ポケットモンスター ソード・シールド ダブルパック)*
- Pokémon Shield (ポケットモンスター シールド)*
- Luigi’s Mansion 3 (ルイージマンション3)*
- Mario Kart 8 (マリオカート8 デラックス)*
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)*
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Just Dance 2020
- Ring Fit Adventure (リングフィットアドベンチャー)*
- Super Mario Odyssey (スーパーマリオ オデッセイ)*
Nintendo 3DS
- Pokémon: Ultra Sun (ポケットモンスター ウルトラサン)*
- Pokémon: Ultra Moon (ポケットモンスター ウルトラムーン)*
- Super Mario 3D Land (スーパーマリオ 3Dランド)*
- Super Mario Maker (スーパーマリオメーカー for Nintendo 3DS)*
- Super Smash Bros. (大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS)*
- Luigi’s Mansion (ルイージマンション)*
- Mario Kart 7 (マリオカート7)*
- The Legend of Zelda: Ocarina of Time 3D (ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D)*
- Detective Pikachu (名探偵ピカチュウ)*
- Luigi’s Mansion: Dark Moon (ルイージマンション2)*
ハードウェア : Nintendo Switchが牽引
ハードウェア市場の売上高は前年比で26%減の8億9,100万ドルでした。来年末に次世代機が発売予定となっているPS4とXbox Oneに対する関心が薄れている影響が大きく、Nintendo Switchのみが気を吐く状況となっています。
Switchは2019年11月、および2019年全体を通して最も売れているプラットフォームです。
PS4とXbox Oneは2013年末の発売なので、今年で6年が経過。次世代機を抜きにして見ても、ゲーム機のライフサイクルとして終盤に入っており、縮小は自然な流れ。2020年末に登場してくる新ハードで再び盛り返すことができるでしょうか。
周辺機器・アクセサリ : ハード・ソフト縮小の影響を受け売上減
周辺機器・アクセサリ類に対する支出も減少しています。2019年11月は前年比14%減の4億3,300万ドルでした。
減少の要因は複数あるのではないかとNPDアナリストのMat Piscatella氏は指摘。
ハードの売上が鈍れば、デジタル版を買うためのプリペイドカードも少なくなります。また、基本プレイ無料タイトルの勢いが陰っていることもプリペイドカードの売上減に影響しているとPiscatella氏は言います。2018年末は大人気だった『Fortnite』は2019年、年間を通してその勢いを失いつつあります。
引き続き人気があるのはコントローラー。たとえば11月にこのカテゴリで最も売れたのは『Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ2』でしたし、PS4用のワイヤレスコントローラー『DUALSHOCK 4 ジェット・ブラック』は今年最も売れている周辺機器です。