NPDグループから2019年10月における米国ゲーム小売市場レポートが到着。『Red Dead Redemption 2』や『Call of Duty: Black Ops 4』が重なった2018年と比べると3割以上もの落ち込みとなってしまいましたが、10億ドル規模を販売し、ホリデー商戦へ向けた盛り上がりの兆しを感じられる月となりました。
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2019年10月 米国ゲーム小売市場規模
- ハードウェア : 1億8,200万ドル (▲41%)
- ソフトウェア : 6億2,000万ドル (▲22%)
- 周辺機器・アクセサリ類 : 2億3,100万ドル (▲4%)
- 合計 : 10億3,000万ドル (▲34%)
大幅マイナスが並んでいますが、NPDのアナリストMat Piscatella氏によれば、今年の10月はこの10年で2番目に大きな売上を見せていて、むしろ好調。15億ドル以上を記録した昨年があまりにも高い山となった反動によるものだとしています。
ソフトウェア : Call of Duty: Modern Warfareが月間・年間で初登場1位
ソフトウェア市場の売上高は前年同月比22%マイナスの6億2,000万ドルでした。ただこれだけ減少しても、2019年10月は10月として過去3番目に好調な月でした。
これより上位は『Red Dead Redemption 2』や『Call of Duty: Black Ops 4』があった2018年10月、そして2008年10月です。
2008年10月は『Wii Fit』や『Guitar Hero World Tour』『Fable II』『マリオカートWii』などが非常によく売れていました。据置・携帯両方のハードがよく動いていた時期ですね。
さて今年10月の月間1位は当然のように『Call of Duty: Modern Warfare』が獲得。年間でも初登場にして1位に立ちました。これで『Call of Duty』シリーズは12年連続で1位デビュー。NPDが調査を開始して以来、米国内で最も売れている(金額ベースで)ビデオゲームフランチャイズです。
2位はObsidian Entertainmentによる一人称視点のSF RPG『The Outer Worlds』。3位は任天堂×Next Level Gamesによる『ルイージマンション3』が続きました。
以下『Madden NFL 20』(4位)『NBA 2K20』(5位)、『WWE 2K20』(7位)、『FIFA 20』(8位)と米国らしいスポーツタイトルが並びます。『リングフィット アドベンチャー』は10位にチャートイン。
任天堂タイトルはこのほか『ゼルダの伝説 夢をみる島』(11位)、『マリオカート8 デラックス』(12位)、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(17位)、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(20位)がトップ20入りをはたしています。『ゼルダBotW』が根強いですね。
対戦格闘ゲームジャンルが過去最高
Piscatella氏によると2019年は対戦格闘ゲームジャンルの売上が過去最高を記録しています。2019年これまでの売上は、これまで最も大きかった2015年を11%上回っているとのこと。特に『モータルコンバット11』や『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が大きく貢献しているそうです。
2015年どんなタイトルがあったかなと思い返してみると、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U / Nintendo 3DS』(2014年から継続)や『モータルコンバット10』がヒット。ジャンルの規模拡大は、この2タイトルの新作が良いタイミングで出るかどうかにかかっているようです。
2019年10月 月間U.S.チャート トップ20
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- The Outer Worlds
- Luigi’s Mansion 3 (ルイージマンション3)*
- Madden NFL 20
- NBA 2K20
- Tom Clancy’s Ghost Recon: Breakpoint
- WWE 2K20
- FIFA 20
- Borderlands 3
- Ring Fit Adventure (リングフィット アドベンチャー)
- The Legend of Zelda: Link’s Awakening (ゼルダの伝説 夢をみる島)*
- Mario Kart 8 (マリオカート8 デラックス)*
- Minecraft**
- Grand Theft Auto V
- Mortal Kombat 11
- Overwatch
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Code Vein
- Red Dead Redemption II
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)*
*デジタル販売分は含まず**Xbox One と PlayStation 4のデジタル販売分のみ含む
2019年 年間売上 トップ10
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- NBA 2K20
- Madden NFL 20
- Borderlands 3
- Mortal Kombat 11
- Kingdom Hearts III (キングダム ハーツ III)
- Tom Clancy’s The Division 2
- Anthem
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Grand Theft Auto V
過去12か月の売上 トップ10
- Red Dead Redemption II
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Call of Duty: Black Ops IIII
- NBA 2K20
- Madden NFL 20
- Borderlands 3
- Mortal Kombat 11
- NBA 2K19
- Battlefield V
Xbox One
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- Tom Clancy’s Ghost Recon: Breakpoint
- Madden NFL 20
- The Outer Worlds
- NBA 2K20
- Borderlands 3
- WWE 2K20
- FIFA 20
- Grand Theft Auto V
- Gears 5
PlayStation 4
- Call of Duty: Modern Warfare 2019
- The Outer Worlds
- NBA 2K20
- Madden NFL 20
- Tom Clancy’s Ghost Recon: Breakpoint
- WWE 2K20
- FIFA 20
- Borderlands 3
- Mortal Kombat 11
- Grand Theft Auto V
Nintendo Switch
- Luigi’s Mansion 3 (ルイージマンション3)*
- Ring Fit Adventure (リングフィット アドベンチャー)
- The Legend of Zelda: Link’s Awakening (ゼルダの伝説 夢をみる島)*
- Mario Kart 8 (マリオカート8 デラックス)*
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Overwatch
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)*
- The Witcher 3: Wild Hunt*
- Super Mario Maker 2 (スーパーマリオメーカー2)*
- New Super Mario Bros. U Deluxe (New スーパーマリオブラザーズ U デラックス)*
Nintendo 3DS
- Pokemon: Ultra Sun (ポケットモンスター ウルトラサン)*
- Pokemon: Ultra Moon (ポケットモンスター ウルトラムーン)*
- Mario Kart 7 (マリオカート7)*
- Luigi’s Mansion (ルイージマンション)*
- The Legend of Zelda: Majora’s Mask 3D (ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D)*
- Super Mario 3D Land (スーパーマリオ 3Dランド)*
- Luigi’s Mansion: Dark Moon (ルイージマンション2)*
- Super Mario Maker (スーパーマリオメーカー for Nintendo 3DS)*
- Super Smash Bros. (大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS)*
- Minecraft*
ハードウェア
ハードウェア市場は最も落ち込みが激しく、売上高は41%減の1億8,200万ドルでした。2018年10月は『Red Dead Redemption 2』の影響が大きく、単純比較は難しくなっています。
10月のトップセラーハードはNintendo Switch。月間・年初来の両方で前年を上回っている唯一のハードで、2019年のハード市場を牽引する存在となっています。Xbox OneとPlayStation 4は次世代機待ちが顕著に現れ静かな動き。
来年末に登場予定のPlayStation 5との世代交代が控えるPlayStation 4ですが、発売から6年となった今なお最高のパフォーマンスを見せるハードの1つだとPiscatella氏は指摘。発売から6年という期間で見ると、PlayStation 4はWiiやPlayStation 2に次いで、据置型ゲーム機としては史上3番目の速さで普及しているハードです。
周辺機器・アクセサリ
周辺機器・アクセサリ分野も売上は減少。前年同月比で4%マイナスの2億3,100万ドルでした。ハードやソフトよりも落ち込みは小さくなっています。『Fortnite』などに代表される基本プレイ無料ソフトを満喫するために、新しいコントローラーやヘッドセット、その他の周辺機器が売れた昨年と比較すると、勢いはやや落ち着きを見せているようです。とはいえ、依然として高水準にあることには違いなく、デュアルショック4の新色がよく売れています。
年間ではDUALSHOCK 4ジェットブラックの一番人気は揺るがないようですが、2019年10月は「DUALSHOCK 4 エレクトリック・パープル」がこの分野で最もよく売れました。