任天堂、パナソニックが離脱し「QOL」事業化が遠のく


 

岩田聡元社長が14年に構想を示した、任天堂の「QOL (Quality of Life)」プラットフォーム。事業化を目指して研究・開発が進められていますが、ローンチはさらに遠のくことになってしまいまそうです。日本経済新聞の報道によると、共同開発を行っていたパナソニックが3月上旬にプロジェクトからの離脱を表明したそうです。

任天堂の QOL、共同開発のパナソニックが離脱

任天堂のQOLプラットフォームは、岩田聡元社長が14年に「任天堂が考える娯楽を再定義する」として打ち出した新たなプラットフォーム。娯楽の定義を「人々のQOL~Quality of Lifeですから直訳すれば生活の質です~を楽しく向上させるもの」と再定義し、任天堂の事業領域を拡大しようという新規事業です。

第1弾のテーマは「睡眠」「睡眠と疲労の見える化」で、ノンウェアラブルな機器の開発や、医療機器を開発・製造・販売しているResMed社との業務提携、疲労科学分野で最先端の研究をされているという先生方からの協力など、かなり力を入れていることがうかがえるプロジェクトでした。

当初は2016年3月末までに事業を開始予定だった「QOL」プラットフォーム。しかしQOLデバイスが任天堂の目指すクオリティを達成できずにいる中で、岩田氏は志半ばに病に倒れてしまいます。

後任の君島社長は後を継ぎ、QOL事業の研究開発を継続。任天堂は将来的な事業の立ち上げや事業領域の多様化を見据え、定款も変更し「医療機器および健康機器の開発、製造および販売」という文言を追加していました。日経によると、君島社長は試作機を使い、自分の睡眠データの蓄積のもしていたそう。

今回、共同開発を行ってきたパナソニックが離脱し、さらに事業化が遠のいてしまいそうな「QOL」ですが、任天堂は事業化を諦めてはおらず、中国や台湾のメーカーにも呼びかけているとされています。

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