2013年末に登場した第8世代が世代交代時期に入り、ハードウェア関連で縮小が続いているアメリカのゲーム市場。NPDグループの2019年7月レポート(集計期間 : 7月7日〜8月3日)でもハードウェアの販売は22%減の1億6,900万ドルと落ち込んでいます。
周辺機器・アクセサリ類も12%減少して2億5,400万ドルでした。
一方、ソフトウェアは『Madden NFL 20』などの新作で盛り上がりを見せて34%増の3億4,000万ドル。この結果、全体の市場規模としては微増の7億6,200万ドルでした。
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2019年7月 米国ゲーム小売市場規模
- ハードウェア : 1億6,900万ドル(▲22%)
- ソフトウェア : 3億4,000万ドル(+34%)
- 周辺機器・アクセサリ : 2億5,400万ドル(▲12%)
- 全体 : 7億6,200万ドル(+0%)
ソフトウェア : 『Madden NFL 20』が1位を獲得
2019年7月 月間トップ20
- Madden NFL 20^**
- Fire Emblem: Three Houses (ファイアーエムブレム 風花雪月)*
- Super Mario Maker 2 (スーパーマリオメーカー2)*
- Marvel: Ultimate Alliance 3: The Black Order*
- Minecraft***
- Grand Theft Auto V
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Mortal Kombat 11
- Mario Kart 8 (マリオカート8 デラックス)*
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)*
- Marvel’s Spider-Man
- Tom Clancy’s Rainbow Six: Siege
- Call of Duty: Black Ops IIII**
- Crash Team Racing: Nitro Fueled
- Red Dead Redemption II
- Tom Clancy’s The Division 2**
- MLB 19: The Show
- New Super Mario Bros. U Deluxe (Newスーパーマリオブラザーズ U デラックス)*
- NBA 2K19
- Assassin’s Creed: Odyssey
*デジタル販売分を含まず**PCデジタル販売分を含まず***『Minecraft』のデジタル販売はPS4/XB1分を含む
2019年7月のソフトウェア市場は、例年8月後半の発売が多かった『Madden NFL』シリーズ最新作『Madden NFL 20』が、今年は8月2日発売に前倒しとなった影響もあり、前年同月比34%増の3億4,000万ドルと活況でした。
年初来(1-7月)の売上は5%増の29億ドル。Nintendo SwitchとPlayStation 4向けソフト販売が増加しています。
Madden NFL 20
2019年7月の月間1位を獲得した『Madden NFL 20』。8月発売タイトルですが、集計期間の関係上7月に登場。シリーズは20年連続で初登場1位を獲得しています。年間では8位に入り、アメリカで最も売れているスポーツゲームシリーズとなっています。
なお『Madden NFL』シリーズの売上にはPC販売やOrigin Access Premierは含まれておらず、実際の販売量はさらに大きくなると見られます。
ファイアーエムブレム 風花雪月
2位は任天堂の老舗ロールプレイングシミュレーションゲームシリーズ最新作の『ファイアーエムブレム 風花雪月(Fire Emblem: Three Houses)』が初登場。アメリカでもすっかり人気シリーズとなりました。
『FE風花雪月』はアメリカ国内におけるローンチはシリーズ最大規模となっていて、初月売上は、それ以前に最も売れた『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』の3倍を記録。またすでに『ファイアーエムブレム 覚醒』に次ぐ累計売上2位につけているということです。
なお任天堂のタイトルはデジタル売上が含まれておらず、Nintendo Switchでは以前よりデジタル市場が拡大しているため、過去作品よりもデジタルのシェアが膨らんでいる可能性があります。
任天堂タイトルがトップ10内に6作品
2019年7月は任天堂が存在感を示した月でした。『ファイアーエムブレム 風花雪月』に加えて、3位に『スーパーマリオメーカー2』、4位に『Marvel: Ultimate Alliance 3』が入りました。さらに『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』や『マリオカート8 デラックス』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』といった定番人気タイトルもトップ10入り。6作品がトップ10入りをはたしました。
2019年 年間トップ10
- Mortal Kombat 11
- Kingdom Hearts III (キングダムハーツIII)
- Tom Clancy’s The Division 2**
- Anthem**
- Resident Evil 2 2019 (バイオハザード RE:2)
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Red Dead Redemption II
- Madden NFL 20**
- Days Gone
- MLB 19: The Show
過去12ヶ月の売れ筋トップ10
- Red Dead Redemption II
- Call of Duty: Black Ops 4**
- NBA 2K19
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Marvel’s Spider-Man
- Madden NFL 19**
- Assassin’s Creed: Odyssey
- Mortal Kombat 11
- FIFA 19**
- Battlefield V**
Xbox One
- Madden NFL 20
- Grand Theft Auto V
- Minecraft
- Forza Horizon 4
- Red Dead Redemption II
- Tom Clancy’s Rainbow Six: Siege
- Mortal Kombat 11
- Tom Clancy’s The Division 2
- Assassin’s Creed: Odyssey
- Call of Duty: Black Ops 4
PlayStation 4
- Madden NFL 20
- Minecraft
- Grand Theft Auto V
- Marvel’s Spider-Man
- MLB 19: The Show
- Call of Duty: Black Ops IIII
- Mortal Kombat 11
- Days Gone
- Crash Team Racing: Nitro Fueled
- Red Dead Redemption II
Nintendo Switch
- Fire Emblem: Three Houses (ファイアーエムブレム 風花雪月)*
- Super Mario Maker 2 (スーパーマリオメーカー2)*
- Marvel: Ultimate Alliance 3: The Black Order*
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Mario Kart 8 (マリオカート8 デラックス)*
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)*
- New Super Mario Bros. U Deluxe (Newスーパーマリオブラザーズ U デラックス)*
- Super Mario Party (スーパー マリオパーティ)*
- Pokemon: Lets Go Eevee (ポケットモンスター Let’s Go! イーブイ)*
- Super Mario Odyssey (スーパーマリオ オデッセイ)*
Nintendo 3DS
- Pokemon: Ultra Sun (ポケットモンスター ウルトラサン)*
- Pokemon: Ultra Moon (ポケットモンスター ウルトラムーン)*
- Super Mario Maker (スーパーマリオメーカー for Nintendo 3DS)*
- The Legend of Zelda: Majora’s Mask 3D (ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D)*
- Detective Pikachu (名探偵ピカチュウ)*
- Super Mario 3D Land (スーパーマリオ 3Dランド)*
- Super Smash Bros. (大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS)*
- Luigi’s Mansion (ルイージマンション)*
- Mario Kart 7 (マリオカート7)*
- The Legend of Zelda: Ocarina of Time 3D (ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D)*
ハードウェア : Nintendo Switchが月間・年間1位も全体では縮小が続く
2019年7月のハードウェア売上高は、2013年末に販売を開始した第8世代ハードの売上が落ち込んでいることで大きく減少。前年同月比22%減の1億6,900万ドルでした。月間1位はNintendo Switchが獲得しましたが、そのスイッチも7月は前年比で減少。Nintendo Switch Lite(9月20日)や、従来モデルに関してもバッテリー持ちを改善した新モデル(8月中旬より順次)など、新製品を相次いで発表したことが影響したかもしれません。
マイクロソフトは次期Xboxを2020年ホリデーシーズンに発売予定。ソニーもPlayStation 5を投入予定です。次期ハードの存在が明らかにされてから発売まで間が空くため、ハードウェア市場の縮小は例年より長くなりそうです。
周辺機器・アクセサリ類 :
最後に周辺機器・アクセサリ類について。売上高は前年同月比で12%減少して2億5,400万ドルでした。マルチプレイ対応タイトルの人気によりコントローラーに対する支出は伸びているものの、その他の分野で売上が減少しています。月間1位は「Nintendo Switch Pro コントローラー」、年間1位の座は「DUALSHOCK 4 ジェット・ブラック」がキープしています。
この世代のピークを過ぎたように見える周辺機器市場ですが、「DUALSHOCK 4」の新色や9月のNintendo Switch Lite発売とそれに伴う新たな製品の登場で、年の後半は再び盛り上がるかもしれないとNPDは指摘しています。