ヨーロッパでは、他地域に先行して6月26日にローンチを迎えるWii U用ソフト『ヨッシーウールワールド』。ヨッシーアクション最新作は、『毛糸のカービィ』の流れを汲んだ手芸世界が描かれ、ヨッシーも編みぐるみの姿で登場しますが、この表現方法に辿り着いた経緯や葛藤の一部が、海外誌のインタビューで語られています。
UKの老舗ゲーム雑誌「EDGE」に掲載されたという、任天堂の手塚卓志氏とグッド・フィールの蛭子悦延氏のインタビューによれば、ヨッシーのアクションタイトルがこれまでのようにユニークなアートスタイルを貫くのは既定路線でした。
「僕らはずっと、ヨッシーは手作り感のあるグラフィックがふさわしいと考えていましたし、『ヨッシーアイランド』や『ヨッシーストーリー』のようなゲームで、そうした表現を実現するよう努めてきました。ただ以前のタイトルの場合、単純に見た目がアーティスティックなだけで、ゲームプレイそのものに大きく影響するものではなかったんです」と手塚氏。
ヨッシーは初主演作である『ヨッシーアイランド』から既に、従来のゲームCGとは異なる表現手法が用いられていました。
「『ヨッシーウールワールド』では、以前のタイトルでは盛り込めなかった幾つかの興味深いメカニックやゲームプレイを実装できるだろうと考え、ウールを使うことにしました。でもこの決定は、僕らが過去に直面した中でも特に大変なチャレンジだったんです」
ゲーム内の表現をテストするために、実際にウールを使ったアイテム類を作る必要が生じたそうですが、その作業がまた膨大な時間を要したと蛭子氏。グラフィックの方向性を確立するのと並行してひたすら作り続ける事もあったのだとか。お疲れ様です。
最終的には現在の編みぐるみスタイルが採用された『ヨッシーウールワールド』ですが、プロトタイプでは『毛糸のカービィ』で登場したカービィやフラッフように、敵キャラクターも含めても毛糸スタイルでした。他にもスパンコール状のヨッシーや、ビーズのヨッシー、ふわふわもこもこしたヨッシーも試作されていたことが、昨年のE3で明らかになっています。
そうしていくつか表現で試行錯誤があった末に、チームは最終的にウールを用いたあみぐるみが最適だと判断。超キュートなヨッシーが誕生したのでした。
ヨッシーやカービィって、あの高い身体能力のせいなのか、ゆるい雰囲気からくるのかは分からないですが、ゲームのビジュアルも初期の方からわりとなんでもありというか、どう料理されても受け入れられる包容力がありますね。今後も見た目にも楽しませてくれそうです。
Wii U『ヨッシーウールワールド』は、国内では7月16日に発売予定です。