英Official Nintendo Magazine(ONM)にて、3DS『ドンキーコングリターンズ3D』でスーパーバイザーを務めた任天堂のヒロ山田氏へのインタビューが掲載され、本作が「すれちがい通信」や「いつの間に通信」に対応していないこと、オリジナル版のレトロスタジオではなくMonster Gamesが開発を担当する事になった理由などが語られています。
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デベロッパーの実験から3DS移植が実現
Wii『ドンキーコング リターンズ』は2010年にリリースされ、基本的に2Dスタイルで進行するアクションゲームであるものの、奥行きを利用した演出が多く盛り込まれ、今回の3DSの立体視とは好相性。以前より移植の計画もあったのかと思われますが、任天堂は当初、この移植は計画していなかったと言います。
「『DKR』のグラフィックは3DSと相性が良いと感じていたものの、ハードウェアのスペックは大きく異なっていますし、レトロスタジオからも直接移植するのは難しいだろうと言われました。Monster Gamesが実験として『DKR』を動作させたのが事の始まりです」
また『DKR』はテレビ画面を想定したデザインがされていますが、実験時に3DSの画面サイズでも大きな支障が無かったことから、ゲーム内の特定アクションをカットすることも無かったといいます。
モーション操作からボタン操作へ
オリジナル版のWiiリモコンを振る操作から、3DSのボタン操作への変更について。モーションコントロールは実際に身体を動かす楽しみをもたらしてもくれますが、『DKR』では特にタイムアタックにおいて、正確性でどうしてもボタンに劣る分ストレスに繋がる場面もありました。
「個人的なことを言えば、『DKR』でのWiiリモコンのモーションコントロールはしっくりきませんでした。そこで、その点は改善しようと考えました。Wii版でモーションコントロールを難しいと感じた他ユーザーも、3DS版では操作性が改善したと感じるだろうと確信しています」
3DS版で導入されるニューモードでは、ハートが3つとなる他救済措置が多く用意される等エンディングまでたどり着きやすくなっていますが、コース設計や敵キャラの配置についてはオリジナルのまま変更無しとのこと。
すれちがい通信・いつの間に通信
すれちがい通信やいつの間に通信の活用について。
「これらの機能は、『DKR3D』では利用していません。革新的なアイデアがあったら採用を検討したかもしれませんが、複数の新しいレベルや新モードで楽しみをたっぷり用意できたことで見送りました」
オリジナルのゲーム(『スーパードンキーコング』シリーズ)はレア社が開発していました。その後Wiiで『DKR』がリリースされましたが、オリジナル開発チームから何かしらフィードバックは受け取っていましたか?
「レアから何かしらフィードバックをもらうことはありませんでした。ですが、彼らも楽しんでくれているなら、僕らにとっても幸せなことです」
Monster Gamesがレトロスタジオの代わりに開発することになった理由。
「任天堂は、レトロスタジオのリソースを別の新タイトルのために使いたいと考えていたので、Monster Gamesと今回の『DKR』移植について話をしました。彼らは3DSの技術に精通していますし、『パイロットウイングス リゾート』の開発経験があったので、快諾してくれました。
実際の所、彼らの技術力は、レトロスタジオも舌を巻くほど高いレベルでした。フレームレートこそオリジナルの秒間60フレームから30フレームに落とさなければなりませんでしたが、ゲームのその他の要素についてはほぼ全て見事に3DSへ移植されました」
レトロスタジオのプロジェクトについて
レトロスタジオが進めているプロジェクトは、メトロイド関連?
「さて、それはどうでしょう?ですが私は、そう遠くないうちに新作について紹介したいと思っています」
『DKR3D』のパッケージ画像に「ニンテンドーネットワーク」のアイコンが表記されていない理由は、単純に「すれちがい通信」や「いつの間に通信」等ネットワークに対応していなかったからなんですね。タイムアタック用のオンラインランキングがあっても良かったかなと思いますが。
また移植担当がレトロじゃなかった理由は、大方の予想通りレトロのリソースを新作に充てたい意向があったとのこと。Wii U『ゼルダ』以外に関わっているプロジェクトがあるのかどうか、またあるとしたらどのIPなのか、もうすぐ明らかになるようで、発表が楽しみです。
3DS『ドンキーコング リターンズ 3D』は、欧米で5月24日に、国内では6月13日にリリース予定です。