N64 で発売されたスノーボードゲーム『テン・エイティ スノーボーディング』の続編『1080° SILVER STORM(テン・エイティ シルバーストーム)』。
開発は、『ウェーブレース ブルーストーム』も担当したアメリカのNST(Nintendo Software Technology)。
ハードをゲームキューブ移したことで、ビジュアルは当然のようにパワーアップしていて、雪の質感、接地感は相変わらず魅力的。コース内では野生の動物が走っていたり、普通のスキー場のゲレンデのようなコースもあって、そこでは一般のスキーヤーが楽しんでいる様子もうかがえる。売りである雪崩は迫力があり、追われながら滑るのも緊張感があってよかった。
そして今回はスピード線やモーションブラーなど、スピード感をアップさせるエフェクトがすごい。ウェアが風になびいたり、細かいところだけど凝っている。実際斜面を滑降しているときに、スピード出し過ぎて怖くなるのを思い出した。
テン・エイティはリアル寄りで雪の接地感を味わえるゲームだけど、トリックを続けると体が光るマイティモードになったり、トリックでは連続でグラブを決めるのがコンボに繋がるなどゲーム的な味付けも用意されている。ただ普通に滑った方が速いのではと感じるので、もっとレース内でトリックを出す必然性があっても良かったんじゃないかと思うけど。
滑っているだけでとても気持ちいいゲームなのに、どのコースも2分しないで滑り終えてしまうので、コースの短さは気になった。サクッと遊ぶにはいいんだけど、風や雪を感じながらもっと長く滑っていたいなあと物足りなさが残る。
ウェーブレースでも感じたことだけど、全体的にゲームのボリュームは少なめでストイック。コース距離が短いせいか、広大な雪山を相手にしている感じはあまりしなかった。スピード感は増したけど、傾斜や断崖の高低差をそれほど感じない。カメラのせいだろうか。
ウェアを着替えたり、ボードを選んだりとか、キャラが少ない分見た目の変化をもっと楽しみたかったかな。任天堂のタイトルは同一ハードで何作も出るものではないので、発表から発売まで時間がかかった分、もっとボリュームが欲しかったかな。
とはいえ、滑る基本部分がしっかり出来ているので、スピード感もあってなかなか楽しめる作品ではあるのだけど。
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