新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が止まらないアメリカ。4-6月のGDPは前期比年率マイナス32.9%を記録し過去最悪の水準となるなど経済は落ち込んでいます。一方、巣ごもり需要の高まりにより、屋内で楽しめるエンタメ、とりわけゲーム関連は引き続き活況です。ハード販売は落ち着きを見せ始めているもののコンテンツは拡大を続けており、7月の総支出額は約36億ドルとなりました。
NPDグループは今月より、“ビデオゲームコンテンツ” という項目を新たに追加。先月までの “ソフトウェア” に替わる項目で、ゲーム本編だけでなく追加コンテンツやサブスクリプション、モバイルなどの売上も含まれるようになりました。
そのため、これまでと比べてこの項目の数字が桁違いに大きくなっています。
この結果、2020年7月の米国ゲーム市場規模は前年同月と比べ32%の増加。ハードウェアは微減となったものの、コンテンツと周辺機器は30%以上の大ききな伸びを示し、全体を押し上げました。
Contents
2020年7月 米国ゲーム市場規模
- ハードウェア : 1億6,600万ドル(▲2%)
- ゲームコンテンツ : 32億5100万ドル(+34%)
※ゲーム本編売上、DLC、マイクロトランザクション、ゲームプラットフォームにおけるサブスクリプション、クラウド、モバイル、ポータブル、PC、VRプラットフォームを含む - 周辺機器・アクセサリ類 : 1億7,000万ドル(+34%)
※プリペイドカード等を含む - 合計 : 35億8,700万ドル(+32%)
パンデミックの影響で在宅時間が長くなる中、ゲームへの支出は前年を上回り続けています。NPD のアナリスト Mat Piscatella 氏によれば、2020年はこれまでのところ、2019年を21%上回る260億ドルに達しています。
そして外出が制限されていることで、デジタル関連の支出が大きく伸びています。
ゲーム本編に加えて追加コンテンツ、モバイル、サブスク支出を含むデジタルコンテンツ支出は前年比で41%拡大。特に家庭用ゲームのデジタル支出が大きく拡大しているということです。
パッケージ版ソフトも含めたコンテンツ全体では21%増加し、230億ドル規模となっています。
ソフトウェア
2020年7月 月間 US チャート トップ20
- Ghost of Tsushima
- Call of Duty: Modern Warfare
- Paper Mario: The Origami King (ペーパーマリオ オリガミキング)*
- The Last of Us: Part II
- Animal Crossing: New Horizons (あつまれ どうぶつの森)*
- Ring Fit Adventure (リングフィット アドベンチャー)
- Mortal Kombat 11
- Mario Kart 8: Deluxe (マリオカート8 デラックス)*
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- Sword Art Online: Alicization Lycoris (ソードアート・オンライン Alicization Lycoris)
- Minecraft: PlayStation 4 Edition
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)*
- Rainbow Six: Siege [Tom Clancy’s]
- New Super Mario Bros. U Deluxe (New スーパーマリオブラザーズ U デラックス)*
- MLB: The Show 20
- Star Wars Jedi: Fallen Order
- Need for Speed: Heat
- Marvel’s Spider-Man
- Assassin’s Creed: Odyssey
- Call of Duty: Black Ops III
*ニンテンドーeショップのデジタル販売分を含まず
7月の月間チャートを制したのは、SIE 子会社スタジオの Sucker Punch が手掛けた、鎌倉時代の元寇を題材とするオープンワールド時代劇アクションアドベンチャー『Ghost of Tsushima』でした。Sucker Punch として史上最速の売れ行きとなっていて、初月売上のみで、2020年発売タイトルの中で5位につけています。
7月発売のもう1つの注目作、任天堂 / インテリジェントシステムズによる『ペーパーマリオ オリガミキング』は3位でデビュー。
2作目までのアクションRPGから3作目以降のアクションアドベンチャー路線へのジャンル変更はいまだに賛否両論ありますが、今作は人気低迷の不安を払拭。『ペーパーマリオ』シリーズとして過去最大の初月売上を記録しています。
販売金額はシリーズ2作目『ペーパーマリオRPG』の2倍以上に達しているのだとか。
この他のトップ5、2位は『Call of Duty: Modern Warfare』、4位は『The Last of Us: Part II』、5位は『あつまれ どうぶつの森』でした。トップ5内にファーストの独占タイトルが4作入る珍しいかたちに。そして6位には『リングフィットアドベンチャー』が続いています。
『The Last of Us: Part II』は現在までの売上高は、『Marvel’s Spider-Man』や『God of War (2018)』に続くSIE史上3位のペースとなっています。
トップ10に新作がもう1本。バンダイナムコの『ソードアート・オンライン Alicization Lycoris』が10位に入りました。2018年発売の『フェイタル・バレット』(14位)を上回り、SAO シリーズとして過去最高の順位につけています。
2020年 年間 トップ10 (1-7月)
- Call of Duty: Modern Warfare
- Animal Crossing: New Horizons (あつまれ どうぶつの森)*
- The Last of Us: Part II
- Final Fantasy VII: Remake (ファイナルファンタジーVII リメイク)
- Ghost of Tsushima
- Dragon Ball Z: Kakarot (ドラゴンボールZ KAKAROT)
- MLB: The Show 20
- Resident Evil 3 (バイオハザード RE:3)
- Mario Kart 8: Deluxe (マリオカート8 デラックス)*
- Mortal Kombat 11
過去 12 か月の売上トップ10
- Call of Duty: Modern Warfare
- Madden NFL 20
- Star Wars: Jedi: Fallen Order
- NBA 2K20*
- Animal Crossing: New Horizons (あつまれ どうぶつの森)*
- The Last of Us: Part II
- FIFA 20
- Mario Kart 8: Deluxe (マリオカート8 デラックス)*
- Pokémon: Sword (ポケットモンスター ソード)*
- Luigi’s Mansion 3 (ルイージマンション3)*
Xbox One 売上トップ10
- Call of Duty: Modern Warfare
- Mortal Kombat 11
- Sword Art Online: Alicization Lycoris (ソードアート・オンライン Alicization Lycoris)
- Minecraft: Xbox One Edition
- Ghost Recon: Breakpoint [Tom Clancy’s]
- Rainbow Six: Siege [Tom Clancy’s]
- Forza Horizon 4
- Star Wars: Jedi: Fallen Order
- Assassin’s Creed: Odyssey
- Call of Duty: Black Ops III
PS4 売上トップ10
- Ghost of Tsushima
- The Last of Us: Part II
- Call of Duty: Modern Warfare
- Minecraft: PlayStation 4 Edition
- MLB: The Show 20
- Mortal Kombat 11
- Marvel’s Spider-Man
- Need for Speed: Heat
- Star Wars: Jedi: Fallen Order
- Sword Art Online: Alicization Lycoris (ソードアート・オンライン Alicization Lycoris)
Nintendo Switch 売上トップ10
- Paper Mario: The Origami King (ペーパーマリオ オリガミキング)*
- Animal Crossing: New Horizons (あつまれ どうぶつの森)*
- Ring Fit Adventure (リングフィット アドベンチャー)
- Mario Kart 8: Deluxe (マリオカート8 デラックス)*
- Super Smash Bros. Ultimate (大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)*
- The Legend of Zelda: Breath of the Wild (ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)*
- New Super Mario Bros. U Deluxe (New スーパーマリオブラザーズ U デラックス)*
- Super Mario Odyssey (スーパーマリオ オデッセイ)*
- Super Mario Party (スーパー マリオパーティ)*
- Pokémon: Sword (ポケットモンスター ソード)*
ハードウェア : Nintendo Switch 人気続く
ハードウェア市場の売上高は前年同月比で2%の微減。1億6,600万ドルでした。年初来の売上高は22%増加の18億ドルでした。
パンデミックによって家庭用ゲーム人気が高まり、新たに本体を買い求める消費者が増加。世代交代を待っていた PlayStation 4 / Xbox One も売上を伸ばしていましたが、次世代ハードの情報がますます具体的になってくると、最後の特需も終了。再び PlayStation 5 / Xbox Series X 待ちの状態に戻りました。
そして当面は世代交代のない Nintendo Switch がこのカテゴリを牽引する存在となっています。
NPD グループによると Nintendo Switch は、7 月および 2020 年これまでのところ、販売台数と販売金額の両方で最も売れたハードウェアでした。
周辺機器・アクセサリ類
周辺機器・アクセサリ類の売上高は34%増加して1億7,000万ドルでした。7月としては過去最高を記録。コントローラやヘッドセット/ヘッドホンの分野も7月として過去最多売上を記録しました。家で家族と遊ぶため、あるいはオンラインで友達とつながるために、追加のコントローラやヘッドセットは欠かせません。売上が伸び続けていて、年初来の売上高は前年同時期と比べて24%増、13億ドルとなりました。
ゲームコントローラ、ヘッドセット/ヘッドホン、ハンドルコントローラは過去最高の売れ行きとなっています。
最も人気の製品はマイクロソフトの『Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ 2』。7月も年間でも1位となっています。