スクエニHDの2018年4-6月は減収減益、新作の無かった家庭用ゲームが落ち込みスマホ向けも想定を下回る


 

スクウェア・エニックス・ホールディングスが8月7日に発表した2019年3月期第1四半期(2018年4-6月)決算は、家庭用ゲーム分野で新作ソフトの発売が無かったことや、第2四半期以降に予定している大型新作タイトルの広告宣伝費を先行して計上した関係もあって、前年同期の実績を下回る減収減益となりました。

売上高は20%減の455億円、営業利益は67%減の43億円、経常利益は42%減の77億円、純利益は30%減の59億円でした。

主力のデジタルエンタテインメント事業は減収減益

家庭用ゲームを含むデジタルエンタテインメント事業の売上高は27%減の324億円、営業利益は56%減の61億円でした。

HDゲーム売上高は新作無く減収

HDゲームの売上高は63億円で、前年同期から43%の減少。新作が無かったことで、パッケージ販売が前年同期は265万本だったのに対して、今期は90万本まで落ち込みました。

7-9月は早くも100万本を突破したスイッチ向け新作RPG『オクトパストラベラー』や、人気アクションアドベンチャーシリーズの新作『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』があり、巻き返しを図ります。

MMOは『FF14』拡張版の反動減により減収

MMO分野は、前年同期に『ファイナルファンタジーXIV』の拡張版ディスク『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』が発売された関係もあり、前年同期と比較して減収。32%減の63億円でした。一方で、課金ユーザーのゲーム内消費は好調を維持しています。

スマホ向けは多くが想定を下回る

スマートデバイス・PCブラウザゲームなどの売上高も伸び悩みました。売上高は17%減の減の196億円でした。前期にサービスを開始したタイトルの多くが想定を下回っており、事業の規模拡大に至りませんでした。また、ライセンス料一時金の影響がなくなったことも響いて、前年同期比で減収減益でした。

アミューズメント事業は増収減益

アミューズメント施設の運営・アミューズメント施設向けの業務用ゲーム機器・関連商製品の企画・開発・販売を行うアミューズメント事業の売上高は5%増の94億円、営業利益は68%減の2億円でした。店舗運営が堅調に推移した関係で増収となったものの、アミューズメント機器で新規タイトルの発売がなく、減益となりました。

出版事業も増収減益

コミック雑誌やコミック単行本、ゲーム関連書籍等の出版・許諾等を行う出版事業の売上高は4%増の24億円、営業利益は4億円で21%減少しました。コミック単行本に新刊が少なく、紙媒体で低調だったものの、電子書籍販売は好調だったのが増収要因。一方で、電子書籍向けの広告宣伝費がかさみ、減益となりました。

ライツ・プロパティ等事業は減収減益

スクエニグループのコンテンツに関する二次的著作物の企画・制作・販売及びライセンス許諾を行うライツ・プロパティ等事業の売上高は32%減の15億円、営業利益は76%減の1億円と大幅な減収減益となりました。これは主に、前年同期に、有力コンテンツの新規キャラクターグッズなどを投入した反動によるものです。


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