17日に発表された任天堂とDeNAの業務資本提携を受け、18日の株式市場では買い注文が殺到。両社の株価はストップ高となりました。
任天堂のスマートデバイス展開は、最近の決算説明会では何度か予告されていたものですが、DeNAというパートナーに出会い、ようやく本格的な進出が発表。重い腰を上げたことが評価され、買い注文が殺到しました。
具体的なタイトルや、課金体制などはまだ明らかにされておらず、期待先行ですが、それでも任天堂が動いたことそれ自体がまずは評価されているようです。任天堂はDeNAと組むことで、大規模なトラフィックをさばくなどのインターネットサービスの構築・運営ノウハウを手にすることができ、DeNAは知名度の高い任天堂IPを使った、モバイル分野でのヒットタイトルを創出を見込める両社にとってメリットがあると。
今回の業務提携の内容をおさらいすると、「任天堂IPを使ったスマートデバイス向けゲームアプリの共同開発・運営」と「任天堂の新メンバーズサービスの共同開発」の2点。
ゲームアプリの共同開発・運営
ゲームアプリに使用される任天堂IPは例外が無く、どのIPにも可能性が。しかしながら、スマートデバイス向けゲームは基本的に売り切りではなく継続的な運営が必要となるため、ある程度タイトル数は厳選。また、同一IPを使用したとしても、ゲーム専用機向けタイトルをそのまま移植するようなことはしないことも明言。端末の特性にあったゲームアプリが開発されます。
新たなメンバーズサービス
新メンバーズサービスの方は、「クラブニンテンドーのようなロイヤリティプログラムとしての側面“も”持ちます」とのこと。複数デバイス間で繋がることのできる、単なるポイントプログラムにとどまらない面白い取り組みとなりそう。任天堂のネットワークサービスは快適とは言い難いものも少なくありませんから、スマートデバイス上の展開に限らず、ゲーム機向けで提供されているものも改善されていけば、任天堂ハードユーザーとしては嬉しいところ。
ゲーム専用機ビジネスへの情熱
任天堂は岩田社長があの場で“NX”を発表したように、ゲーム専用機ビジネスのポテンシャルをまだ信じていて、スマホ戦略も最終的には任天堂プラットフォームに振り向いてもらう展開の一環。スマホ事業の売上高がとんでもなく大きくなっていけば、また考えも変わってくるかもしれませんが。
いずれにしても、任天堂にとってハードウェア事業は、売上高の過半数を占める重要なもので、そのハードを売っているのは「ソフトがハードを売る」を体現する任天堂ソフト群。全く新しいコンセプトだという“NX”のあり方次第では面白い未来が見えてきそうです。