任天堂の16年3月期決算説明会質疑応答:新ハード「NX」やスマホ事業について、『Miitomo』の評価など

任天堂から29日、「2016年3月期 決算説明会」の質疑応答(要旨)が公開されました。新ハード「NX」の立ち上げや前期比で75%もの大幅となるWii U本体の販売目標やその影響、スマートデバイス事業に関してなど、興味深い話が多数。

任天堂はこのところ売上高の減少が続いています。君島社長は短期的な動向に一喜一憂するのではなく、中核であるゲーム専用機事業の立て直しを図りながら、中長期的に見た任天堂ビジネスの拡大、『amiibo』やデジタル市場、そしてスマホ事業といった新規分野の成長に注力している印象。

スマートデバイス事業について

『どうぶつの森』と『ファイアーエムブレム』を『Miitomo』に続くタイトルとして選んだのは、異なるジャンルで任天堂に興味を持ってもらい、遊んでもらえる機会を広げていきたいという観点から。

『どうぶつの森』は子どもや女性層も含めて幅広く遊んでもらえている。『FE』は長くシリーズに愛着を持っているファンがいるため。任天堂タイトルに触れる客層を広げるため、異なるジャンルのタイトルとIPを選択した。今後のタイトルも、使用するIPに制限は設けていない。

スマホ事業に対する本気度が伝わっていないのは、任天堂からの情報発信が正確に伝わっていないという意味で、反省したい。スマホ事業は任天堂の収益の大きな柱の1つとして育てていきたい。能力のある開発者がスマートデバイス向けゲームの開発に取り組んでいる。宮本茂クリエイティブフェローも、全社的な観点からスマホ事業をサポートしている。任天堂のビジネスの柱の1つにしていきたいと考えており、本気度は変わっていない。

スマホ事業のKPI(重要経営指標)について。DAU(Daily Active Users、1日当りのアクティブユーザー数)を上げていくのは大事だが、「継続率」も重要。「継続率」が上がればDAUも上がっていくので注視している。数値が高くなれば、課金収入もあがっていく。

Miitomo

『Miitomo(ミートモ)』のユーザーは男女別でいうと非常にバランスが取れている。出だしでは若干女性比率が高い。DAUなどの具体的な数字は開示しないが、集計機関などから発表されている数字と大きく違ってはいないと思うのでそちらを参考に。

『Miitomo』の収益インパクトは2016年3月期の決算時点ではまだ小さい(3月に始まったばかりなので)。現状のダウンロード数や課金収入はほぼ予想通り。ゲーム要素の強いタイトルをリリースすることで課金収入も伸ばしていく。

『Miitomo』を遊ぶのにニンテンドーアカウントを登録する必要は無いが、アカウントの登録で加入することになる新たな会員サービス「My Nintendo」の会員数も徐々に伸びている。

『Miitomo』は概ね計画を達成していると考えている。発売からこの1ヶ月で得たフィードバックには早急に対応し、アプリを活性化させていくのが大事。毎日遊ぶユーザーが増えることを目標としていきたい。

同じIPをスマートデバイスとゲーム専用機向けでゲームを展開する場合に重要視する指標について。ゲーム専用機向けでは、販売数量がやはり一番重要になる。もう1つ「その後、どういうふうに遊んでもらえているか」も重要。これはゲームそのものの評価という意味ではなく、IPの将来の評価にもつながるため。

「販売数量」「ハードも含めた稼働数」「ゲームをどれだけ継続して遊んでもらえるか」。ゲーム専用機もスマホのゲームでも両方同じだと考えている。

2017年3月期におけるスマホ事業の収益貢献について。2017年3月までに、『Miitomo』を含めて5タイトル程度リリースする計画。次の新作は秋に配信予定なので、年度の後半では業績に影響してくる。5000億円という売上高、450億円という営業利益の目標には含まれているが、その大半を占めるというレベルでは見ていない。ただし、第2弾以降には本格的なゲームアプリを予定しているので、相応の数字になると考えている。中長期的には、収益の柱の1つにしていこうと考えているので、今後は大きなボリュームになっていくと考えている。

資金需要についての考え方。ビジネスが思うように動いてキャッシュが入ってきた時に、「それを積み上げていくのか」ということについては非常に慎重に考えていかなくてはいけないと考えている。

それはキャッシュバランスについての考え方であり、IPを活用したさまざまな新プロジェクトを進めているが、その中にはそれなりのキャッシュが必要なプロジェクトがいくつかある。まずはそれらに使っていきたい。「NXが出たからもうキャッシュは必要ない」ということではなくて、「IP活用の取り組みに優先して使っていきたい」と考えている。

ゲーム専用機ビジネスについて

ニンテンドー3DS

Wii Uの通期販売数量の予想を80万台に設定したが、3DSのビジネスに影響が出るとは考えていない。紹介した大型タイトルが予定されており、ハード・ソフト両方の販売に貢献すると考えている。Wii Uの販売計画を下げたことによって、3DSにフォーカスできるという意味でプラスに考えていきたい。

最重要タイトルの1つである『ポケットモンスター サン・ムーン』が2016年冬に発売予定。その他、ソフトメーカーからも大型タイトルが発売予定。また未発表ソフトも自社・他社問わず数多く開発中。

NX

コンセプトなどの詳細は改めて発表する場を設ける予定。

「2017年3月」に発売時期を設定したのは、ソフトのラインナップがハード発売時に揃うことが理由の1つ。加えて、発売後もタイトルを継続して出せる状況でないといけないため。長く遊んでもらうためのプラットフォームとして計画を立てている。

コストについて。前提として、ハードを逆ざやで出すという考え方はしていない。Wii U発売時は為替が大幅な円高になった背景もある。コスト割れで発売すると、ビジネスとして成り立たない。

ホリデーシーズンを外した理由。ハード発売のタイミングは、発売した時に「顧客にきちんと遊んでもらえるソフトがどれだけあるか」が重要で、これによって発売時期を決めるものだと考えている。ホリデーシーズンのタイミングでスタートをきるのも1つの大きな要素だが、ハード・ソフト一体型のビジネスは何年も続いていくもの。最初に「きちんとしたものが出る」ことが一番大事であると考えている。発売時期は、必ずしも「ホリデーシーズンでなくてはいけない」ということはなく、「きちんとしたものを提供できる時期」だと考えていて、その点は以前から変わっていない。

Wii Uは年度80万台の計画で、前年実績と比較すると240万台程度の減少を見込んでいる。減少のカバーはNXとスマホ事業が中心になり、その他ではDLCの収益も含まれている。Wii Uハード販売の大幅減で影響を受ける売上高については、NXの販売によってかなりの部分がカバーできるという想定で計画を立てている。

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