音楽著作権の管理を独占していた日本音楽著作権協会(JASRAC)から、音楽業界大手の1つであるエイベックス・グループが離脱。日本経済新聞によると、子会社のエイベックス・ミュージック・パブリッシング(AMP)を通じてJASRACに預けてきた音楽著作権の契約を一斉に見直し、今後はエイベックス系列のイーライセンスに委託するとのこと。
対象となるのは、コンサートなどでの楽曲の演奏権を除く全ての音楽著作権。イーライセンスの保有する約10万曲の楽曲のうち、年末までに約9割の変更手続きが完了する見通し。
EXILEや安室奈美恵、E-girls、m-flo、ケツメイシ、倖田來未、三代目J Soul Brothersをはじめ多数の人気アーティストの楽曲が含まれており、影響は大きいと見られています。他の組織もあるとはいえ、ほぼ独占状態にあるJASRACから大手のエイベックスが離脱するとなれば、他レーベルが追従する動きも出てくることも予想され、業界全体に大きなうねりをもたらすかもしれません。
300万もの楽曲を管理するJASRACの独占が崩れれば、著作権管理でも競争が生まれ、手数料引き下げなどで音楽業界の活性化に繋がるメリットも。一方で管理団体が分散することにより、楽曲使用を求める側の手間やコストがこれまでより嵩んでしまう可能性も考えられます。独占も一長一短。
イーライセンスはJASRACに対抗できる管理事業者になるため、経営規模の拡大を目指してジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)と経営統合に向けた協議を進めている他、著作権管理で取引のあるゲーム業界などからの資本受け入れも検討するとのこと。
業界の衰退はこの辺だけが理由ではないような気もしますが、再活性化を目指す上で興味深い動き。