[映画] ステップフォード・ワイフ


 

米国では2004年、日本では2005年に公開された、ニコール・キッドマン主演の映画『ステップフォード・ワイフ』。例によって事前情報無しで見ることになったわけですが、OPからレトロでポップな世界観を見せているのに対して、ステップフォード住人達の奇妙さが際だっている、なかなか面白い映画でした。

ジョアンナはEBSテレビの敏腕プロデューサー。米国で最もパワフルな女性の1人だ。しかし、ジョアンナの番組に出演したことが原因で妻に捨てられた男が、妻と愛人に銃を乱射したことが発覚。ジョアンナは辞職に追い込まれる。夫のウォルターは、ジョアンナを気遣い、自身も副局長を辞職。夫の優しさに打たれたジョアンナは、新しい人生を始めようと、郊外のステップフォードに移り住む。そこは豪邸が並ぶ美しい住宅地。人々もみんな幸せそうに見えた。しかし、このステップフォードには恐ろしい秘密が隠されていた。

ニコール・キッドマンはショートヘアでも綺麗で可愛いなあ。なんて思いながら見ていて、どんどんとステップフォードの奇妙さにのめりこんでいったのでした。何しろこの街の女性と来たら、男性の理想とする従順でスタイルの良いブロンドヘアばかり。容姿からファッション、歩き方まで皆画一的で、それに表情まで似通っている。家の中は掃除整頓が行き届きすぎていて生活感も無いし、綺麗なんだけど、ゾクッとする不気味さ、怖さがありました。けどこれが理想像なのか?と言われると、ちょっと疑問なわけですが、過去作品のリメイクだと後から知って納得。

女性が社会進出するようになって、管理職も増えて、そうなると当然男性が部下になることも多くあるんですよね。そんな彼女達も結婚して家庭を持っていく。自分より地位が上の女性を妻に持つ夫の本音は?という現代でよくあるテーマ。この映画で描かれている理想の女性像ですが、必ずしも女性は家庭を守るべきという考え方には、もはやならないんですよね。街にはそういう女性しか居ない事に違和感を覚えて、謎を解きに動き始める・・・。途中であっさり謎が明らかにされてしまったり、オチもいかにもアメリカ的なユーモアなんだけど、奇妙さとポップさのバランスというかさじ加減が絶妙で、長さもちょうど良かったかな。

残念だったのはせっかく子持ちの家庭なのに男女間夫婦間の問題に終始してしまって、子供がそこに関与することが殆どなかったんですね。あんまり手を広げてしまうと収拾付かなくなってしまうのかもしれませんが、もう少し話に絡めて欲しかったかなあというところ。

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ステップフォード・ワイフ
原題:The Stepford Wives
監督:フランク・オズ
脚本 :ポール・ラドニック
出演者:ニコール・キッドマン / マシュー・ブロデリック
公開年:2004年
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