[映画] もし、長年連れ添った妻の中からあなたが消えていってしまったら?『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』


 

もし、長年連れ添った伴侶が認知症になってしまったら?自分が彼(彼女)の記憶から消えてしまったら?というのがテーマの映画。

徐々にアルツハイマーの症状を見せ始める妻が自ら夫の反対を押し切って介護施設への入所を決めてしまう。規則で一ヶ月は面会不能とされ、久しぶりの再会は夫婦の愛を再確認出来るはずだった。44年という夫婦生活の間は常に一緒に居た2人なのに、病気一つ、たったの一ヶ月という空白で距離が出来てしまう切なさ。

フィオーナとグラントは結婚して44年。かつて大学教授時代には教え子との浮気でフィオーナを苦しめたグラントだったが、結局は妻のもとに帰り、今は仲睦まじく湖畔の家で暮らしていた。ところが、フィオーナにアルツハイマー型認知症の症状が現れ始め、彼女は自ら介護施設への入所を決める。面会に訪れたグラントはフィオーナが自分を認識できず、車椅子の男性オーブリーと親密に過ごす姿を目の当たりにする。

入所した妻には施設内で仲睦まじく接する男性が居て、必死に夫婦だった過去を思い出させようとするものの、混乱を招くだけに終わってしまう。それでも献身的に施設に訪れ、2人の記憶を思い出させようと尽くす夫。

癌をテーマにした話もそうだけど、アルツハイマーっていうのも老後ではありうる話なのでなかなか考えさせられる。大切な記憶が削り取られていく残酷な病気だ。それと共に、相手を思う気持ちを再確認させられたり。まあ、嫁は居ないですけどもね。

アウェイ・フロム・ハー 君を想う
原題:Away from Her
監督:サラ・ポーリー
原作:アリス・マンロー『クマが山を越えてきた』
製作:ジェニファー・ワイス、シモーン・アードル、ダニエル・アイロン
脚本:サラ・ポーリー
出演:ジュリー・クリスティ、ゴードン・ビンセント、オリンピア・デュカキス、マイケル・マーフィー
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