楽天モバイルが KDDI および沖縄セルラーと新たなローミング協定(相互乗り入れ)を締結しました。これまで自社回線を拡大してきた東京都23区・名古屋市・大阪市を含む都市部の繁華街でも、KDDI 回線を利用できるようになります。
KDDI との新たなローミング協定により自社で通信網を整備することでかかる費用を抑えることができ、赤字が膨らんでいた財務改善を期待できます。KDDI側は継続して一定規模のローミング収入を期待できます。
楽天モバイルはこれまでつながりにくい地方を中心に KDDI 回線を借り、都市部では自社の基地局整備を進めてきました。2022 年 10 月時点で 4G 人口カバー率は 98% を突破しています。基地局整備が進んだことで使用料が高いとされていたローミングエリアは徐々に縮小していた一方で、基地局の整備コストがかさみ、楽天モバイルの財務は悪化。楽天ポイントの改悪など楽天グループ全体にも影響を及ぼしているとされています。
報道によると今回の新たな契約ではローミング使用料が従来より引き下げられ、楽天は今後数年で携帯電話の基地局建設にかかる設備投資を数千億円規模で抑制できるとのこと。投資負担の大きい自社回線の拡大から方針転換し、まずは財務改善を優先するようです。
契約期間は2023年6月から2026年9月末まで。さらに延長する可能性もあるとのこと。