任天堂が5月末に世界各地域でリリースした、Wii U『マリオカート8』。Wii U本体のセールスにも好影響を及ぼすなど、ハードをけん引する好調な販売を続けている一方で、任天堂らしくない詰めの甘さが目立ち、ユーザーからは少なくない不満も聞こえています。そんな中Forbesでは「任天堂が『マリオカート8』でDLCを通じて追加する必要のある5つの事」として、ソフトの鮮度を長く保つための提案を試みています。
Forbesは、『マリオカート8』は製品版の時点で既に素晴らしいクオリティに達していると前置きした上で、新たなコンテンツを加えていくことで、人々により長く楽しんでもらえるとして、実現してもらいたい5つの追加要素を提案。『マリカ8』プレイヤーなら同意出来る部分もあるのではないでしょうか。
マリオカート8にDLCを通じて加えるべき5つのこと
1. 多彩なキャラクター
『マリオカート8』では、過去のシリーズ作品よりも多くのキャラクターが、操作可能なキャラクターとして登場しています。しかしながら、その多くはコクッパとベビィ、そしてメタルキャラによって埋められ、バラエティ豊かなキャラクターを用意出来たとは言えません。
Forbesでは、今回の操作キャラから漏れたカロンやキングテレサ、より多くのコングファミリーに加えて、『スマブラ』が出来ているのだからマリオ以外のフランチャイズからの参加があっても良いのではないかと提案。
マリオ以外のIPも、というのを思わなくも無いですが、それよりもまずマリオファミリーの中で、もっと幅広いキャラ選定をしてもらいたかったですね。
DLCで実現しました
という形で、『ゼルダの伝説』からリンクや『どうぶつの森』からむらびととしずえといったマリオファミリー以外の任天堂キャラクターがシリーズ初めて参戦。
2. もっと多くのコースや乗り物
コースのボリュームの問題。32コースでは物足りず、もっと多くの新規、あるいはリメイクコースを用意してもらいたいというのは多くのユーザーが感じるところ。反重力要素は、『マリオカート』としては新鮮味がありました。ただ、スピンターボの機会が少なかったので、もっと用意されていても良かったかなと。どのコースもだいたい似たようなタイムになるのもマイナス要素。
同様に、より多くの新しいデザインのバイクやタイヤ、カイトも要求されています。カートに関しては、メルセデス・ベンツとのコラボDLC「GLAカート」が発表されていますが、もっとマリオっぽいデザインや、逆にリアルなカートでも面白いかもしれません。
DLCで実現しました
によって、コースのボリュームが最大で1.5倍に。『F-ZERO』や『エキサイトバイク』といった任天堂の他レースゲームのコースも新たに収録。またマシンもDLC1つにつき4種類追加されています。
3. バトル専用ステージ
上と関連する問題ですが、『マリオカート8』ではバトル専用ステージが用意されず、いくつかの通常ステージの中で、風船バトルが行われることになりました。一般的なユーザーの感想と同様に、Forbesのライターもこれにはがっかり。『8』の要素をいかしたバトルステージを求めています。
4. もっと細かく調整できるビデオエディター
マリオカートTV機能のおかげで、レースのハイライトを世界へ向けてアップできるようになりました。ただしその機能は非常にシンプルで、他人かりみて見てレースの状況を把握するのはほぼ不可能ですし、実際にレースを走った本人たちですら、時間が経てばどういう展開だったのかを思い出すのは難しい、保存には向かないハイライトです。
カメラアングルの調整など、もっと細かく調整できるハイライトのエディタがあれば、いいレースを掘り下げて見ることができますし、振り返ったときにも有意義な動画になるのではと思いますね。今のままでは、レースで大事な順位変動すらよく分からない、ただアクションを眺めているだけですからね。
5. 150ccより上の200ccクラス
『マリオカート』シリーズでは伝統的に、「150cc」が難易度も速度も最上位のクラスとして設定されています。が、記事ではさらにそれを上回る「200cc」クラスを提案。ハイスピードかつ高難易度なクラスの導入は新たなチャレンジをもたらすとしています。
実現しました
2015年4月23日にリリースされる更新データ「Ver. 4.0」で、遂に200ccが実現。新たな領域の『マリオカート』を体験できるようになりました。
マリオカートらしからぬ詰めの甘さ
ここからは、僕が個人的に感じている不満点を、上記を除いてつらつらと。
ミニマップ、順位、タイム差が画面に表示されない
マップは最終的に覚えるからまだいいとして、順位や位置関係がメイン画面に表示されないのはかなり不便。GamePadを見ないと確認できません。のんびりドライブを楽しむゲームならまだしも、『マリオカート8』のコースは3周しても2分程度で完結するショートコースばかり。しかもアイテムがいつ飛んでくるのかも気になるゲーム。GamePad画面を悠長に見ている余裕などほとんどありません。
1つしか保持できないアイテムも、どのタイミングで使うのかという戦略性より、次のアイテムボックスに備えるだけのガードになっています。
[実現しました
更新によって、ミニマップに関しては、TV画面への表示が可能になりました。
グランプリで、走行タイムが表示されない
レースゲームであれば、自分の走行タイムは気になるもの。ですが『マリオカート8』では、ほぼ自分のタイムを確認することができません。どのルートがいいののかをグランプリ中に知ることは出来ませんし、ライバルに大差を付けてニヤリなんてのもありません。
自分のタイムや良いラインを知りたければ、タイムアタックで孤独に走り続けるしかありません。
UIをはじめ、不親切さが目立つ
レース終了後、最も優先的に表示されるのは次のレースへ進むボタンではなく「ハイライトを見る」ボタン。これだけでもスタッフがユーザビリティを軽視していることに唖然としますが、『マリオカート8』では、カートのカスタマイズ要素があるにもかかわらず、自分好みの設定を保存することが出来ませんし、設定要素の少ないMKTVですら、毎回調整が必要な始末。集めたハンコをゲーム内から確認することもできません。グランプリのリトライもありません。
また、サウンドが一つの売りですが、その設定やゲーム内から聴くサウンドテストのようなモードもありません。
もっと自由にVSレースを
対戦時に色々なルールを設定することができるVSレース。ですが周回数は固定ですし、参加キャラやその数をプレイヤーが決めることはできません。クッパ軍団VSマリオとか、ベビィだらけとか、プレイヤーの要望に応えてはくれません。
GamePadは何のため?
Wii U最大の特徴とも言える、タッチスクリーンの付いたGamePad。『マリオカート8』でも利用されているのですが、マップや順位表をメイン画面からGamePadへ追いやったり、デフォルトではクラクションが表示されているなど、おせじにも活用できているとは言えません。
また、多くの方が期待したであろうテレビとGamePad画面による2人対戦も、分割の方が白熱するからという理由で見送られています。
グランプリや対戦中、MKTVのクルーとなってカメラを動かせたらなんて思いましたが、全く別の画面を2つ同時に表示するとなると、Wii Uのマシンパワーでは不安も。