ファイナルファンタジーの生みの親、坂口博信さんが率いるミストウォーカーと、任天堂の共作によるWii用RPG『THE LAST STORY(ラストストーリー)』。音楽を担当したのは、これまた歴代FFの音楽を手がけてきた植松伸夫さん。
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シームレス & セミオートで展開される戦闘
通常マップからシームレスで展開される戦闘シーンは、オブジェクトに隠れたり、また破壊して戦況を有利にするなどがリアルタイムで繰り広げられ、なかなか楽しいです。操作するキャラクターは基本的に主人公のエルザだけで、攻撃はセミオートというシンプルなもの。だからといってごり押しだけでは苦戦したり、戦略性も。
難点もあった
しかし、その戦闘も難点が。やや複雑なエリアにおいてもマップが表示されない上に、多いときには敵味方かなりの数が入り乱れて戦うので、誰がどこにいるのかを見失いやすい。それなりに描き分けはあるものの、淡い色合いのグラフィックに埋もれてしまうこともざら。
各キャラクターの攻撃バリエーションもそれほど多くなくて。通常攻撃でももっと色んなモーションがあると良かったんだけど。
ムービー地獄が待っていた
随所に挿入されまくるデモムービー。少し歩けばムービー。戦闘の前にムービー。終わればムービー。これはもう少しどうにかならなかったのかなあ。スキップや早送りは用意されていますが、ストーリーを追うようにプレイするとすれば、見ざるを得ないわけで。無駄に入り組んだ(それでいてそれほど作り込まれているわけでもない)街と合わせてリズムがぶつ切り。主要キャラ以外にまで用意された膨大なボイス量は、それなりにリアリティを与えてくれましたけどね。
チャプター制でストーリーを見せる事に重きをおいているので、次々とデモシーンが挿入されてこちらのペースで遊べずにやや押しつけがましい感じはあり。それでも途中からは、このゲームはそういうものなんだなとリズムにも慣れてきたけれど。
もっと豊富なクエストを
幾つかの中規模イベントもあるんだけど、もっと傭兵団という設定を活かしたクエスト(そしてクエストリストもほしい)を受注出来るなりして自由に遊びたかったですね。寄り道サブイベントもあるにはあるんだけど、そんなに多くない。オンライン要素も用意されてるけど、オフ要素も充実を。これもストーリー主導の弊害か。マリオでいうなら強制スクロールのステージを遊ばされている感じ。
昔ながらの古き良きFFらしさを感じられるRPGを、任天堂監修で遊べるものだと期待していたんですが(プロモーションもかなり力を入れていたし)、新しいRPGを目指すというチャレンジもあって、そうはならなかった。でも、戦闘システムはキラリと光るものがあったし面白かった。不思議のダンジョンみたいな自動生成マップがあったり、闘技場の種類がもっと豊富だったらもっと楽しめたかなと思ったりした。
一作で終わらずに、もっとブラッシュアップした新作を見てみたい。