6 月の E3 はもうありません。
米エンターテインメントソフトウェア協会(Entertainment Software Association、ESA)は2023年12月12日、世界最大級のゲーム見本市である「E3」(Electronic Entertainment Expo)を終了すると発表しました。
ESA は公式 SNS アカウントを通じ「20 年以上にわたり各回が前回を上回る盛り上がりを見せてきた E3 ですが、ついにさよならを言う時がやってきました。これまでの思い出に感謝します。GGWP(Good Game, Well Played. 良いゲームだった)」とコメントを出しています。
さよなら、E3
1995年にはじまった「E3」は 20 年以上にわたりゲーム産業に携わる各社が新作ソフトウェアやハードウェア、サービスを披露する機会でした。最初は純粋に業界関係者が参加する流通向けの見本市として、認知度の高まりとともに一般の観客も参加できるようになるなど、世界のゲームファンも楽しめる一大イベントへと変化していきました。
なぜ終了?
オンライン環境が整った近年は各社が独自のデジタルイベントや発表イベントを開催。結果として「E3」への参加を見送るなどイベントの重要性、存在感は薄れはじめていました。出展企業はブースの設営に多くの時間や費用が必要な上、開幕までの間にそこからリークされてしまう問題も課題となっていました。
加えて新型コロナの流行拡大により 2020 年以降は開催中止に追い込まれてしまいます(2021年は完全オンラインで開催)。
2023 年は新たなイベントディレクターを迎え、仕切り直しての 4 年ぶりのリアル開催を目指していましたが、不参加を表明する企業が相次ぎ、開催は中止に。任天堂も初めて参加を見送ると表明していました。
E3 は終了してしまいますが、ゲーム業界の大規模イベントは他にも開催されています。
スケジュールとしては例年 8 月にドイツのケルンで「gamescom」が開催。9 月には日本で「東京ゲームショウ」も開催されます。12月の「The Game Awards」はその年の功績を讃える表彰の場である一方で、最新作の最初の映像を披露するワールドプレミアの場としても定着しています。
コミコンや PAX などのイベントにも、近年ますます積極的にメーカーが参加するようになっています。