北米レーティング機関の「ESRB」(Entertainment Software Rating Board)は、年齢区分と併記しているゲーム内のインタラクティブ要素(ゲーム内購入やユーザー間交流など)について、「ゲーム内購入(ランダムアイテムを含む)」を新たに加えたことを発表しました。
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北米レーティングはガチャ的課金要素の有無が表示されるように
#ESRB will begin assigning a new Interactive Element, In-Game Purchases (Includes Random Items).
Find out more in our new blog: https://t.co/LPhd5rl7VL pic.twitter.com/nO6p8r1yYJ
— ESRB (@ESRBRatings) April 13, 2020
ESRBでは2018年よりレーティング表示へのインタラクティブ要素併記を開始。
「ゲーム内購入」であったり、「ユーザー・インタラクト」の有無を事前に確認することができるようになっていました。
そこへ今回新たに、「ゲーム内購入」の内容を具体化した「In-Game Purchases (Includes Random Items)」(ゲーム内購入(ランダムアイテムを含む))が追加。
どういう内容が「ゲーム内購入(ランダムアイテムを含む)」に該当するのかというと、実際の通貨(および仮想通貨、ゲーム内通貨など)を使用してデジタルアイテムを購入する要素が含まれ、かつユーザーが購入前にその商品の内容を知ることができない(例えばルートボックスやアイテムパック、ミステリーアワードなど)場合。
ルートボックスやガチャ、アイテムまたはカードパック、賞品ルーレット、トレジャーボックスといった購入要素に適用されます。なお「ゲーム内購入(ランダムアイテムを含む)」表記のあるタイトルには、さらに他の課金要素が含まれる場合もあります。
これまでの「ゲーム内購入」表示は、追加ステージやコスメティックアイテム、DLC、拡張などの有料コンテンツを含む場合に引き続き割り当てられ、ルートボックス等のランダムアイテムが含まれる場合は「ゲーム内購入(ランダムアイテムを含む)」が使用されることとなります。
ガチャ要素とその他の有料コンテンツは明確に線引がなされることに。
ソフトウェアに課金要素があるのかどうか、またその内容がどんなものなのか、消費者はより理解しやすくなります。
なぜ今導入が決まったのか
なぜ今、新たな表記の導入が決まったのか。
そもそもは、保護者はゲームの有料コンテンツについて、課金要素そのものよりも子どもたちのお金の使いかたの方をむしろ懸念しているとの調査結果から、ESRBは「ゲーム内購入」表示を導入しました。
すると表記の仕方について、ランダムアイテム購入の有無に関する情報も追記してくれとの要望が(必ずしも保護者ではない方からも)数多く届いたのだそう。
そこで新たに「ゲーム内購入(ランダムアイテムを含む)」ラベルの導入を決定。レーティングで適用されることとなりました。
“ルートボックス”表示にしなかった理由
ルートボックスを用いずにランダムアイテムとなった理由についてESRBは、ルートボックスはあらゆる種類のゲーム内ランダム購入を網羅するものではなく、類似したケースも含めすべてを確実にカバーするラベルが必要だったと説明。
またここには、ルートボックスという言葉を知らない消費者の混乱を避ける目的も含まれています。最近の調査によれば、ルートボックスについて聞いたことがあり、またそれが何であるかを知っている親は3分の1未満だったということです。