シリーズ最新作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が遂に完成した、昨年30周年を迎えた任天堂の老舗アクションアドベンチャー『ゼルダの伝説』。
ゼルダには据置型ゲーム機向けの大型プロジェクトがある一方で、より手軽に楽しめる携帯型ゲーム機向けのコンパクトなタイトルも数多く発売されてきていますが、携帯型ゲーム機のように持ち運びのできる Nintendo Switch (ニンテンドースイッチ) の発売は、携帯機向けゼルダの開発にどのような影響を与えるでしょうか。
任天堂のゼルダシリーズの総合プロデューサー青沼英二氏は、Game Informer のインタビューに対して、携帯機チームの手がけるゼルダタイトルが Nintendo Switch でリリースされる可能性を前向きに語っています。
GI はまず、かつてない開発規模となった『ゼルダの伝説 BotW』の開発スピードを上げるため、携帯機チームとの統合を検討したかを質問。これに対して青沼氏は「開発のペースは実際のところ、開発チームの規模に依存しているわけではないので、両者を統合させたからといって、必ずしも開発ペースを早めることにはつながらないんです」と回答。
「3DS チームと Wii U チームは、ゲーム開発に対するアプローチが異なりますから。なので僕は、彼らを統合させる必要はないと思いますし、むしろ彼ら独自の視点から、Nintendo Switch で出来ることについてそれぞれ考えてもらいたいんです」と続けました。
「携帯機向けのゼルダチームが Nintendo Switch の発売で解散へ向かうこともない」と青沼氏。「Switch は据置型ゲーム機を外へと持ち運びできるハードですが、これが 3DS のような携帯型ゲームの開発中止を意味するものではありません」
青沼氏の発言を受けて GI が単刀直入に、3DSゼルダチームが Nintendo Switch 向けにゼルダを開発する可能性があるかを尋ねたところ、青沼氏からは「ええ。その可能性は確実にあるでしょうね」と前向きな回答。
プレイスタイルも含めて2Dならではの良さが確実にあり、それを楽しむファンもたくさんいると青沼氏。より進化した2Dスタイルのアプローチを考え、作り出そうとしていると話し、3Dゼルダが『BotW』で見せる進化の形を2Dゼルダでも生み出したいと意欲を見せました。
携帯機ゼルダの直近作は2015年10月に3DSで発売されたマルチプレイ主体の『トライフォース3銃士』。その前は2013年12月に『神々のトライフォース2』が同じく3DSで発売。立体視を活かす高低差の謎解きなどを盛り込んだ見下ろし型ゼルダは非常に高い評価を得ています。
最近の携帯ゼルダの開発には、任天堂だけでなくグレッゾや1-UPスタジオといったデベロッパーも参加。グレッゾは新作の『Ever Oasis (仮称)』を発表していますが、次の動きがなかなか見えてこない1-UPスタジオの動向も気になるところです。
青沼氏は先日、『ブレス オブ ザ ワイルド』に続くゼルダタイトルを Nintendo Switch で発売する可能性に言及。『BotW』では実装できなかったマルチプレイを盛り込みたい考えも明らかにしています。
据置チームに無いということではありませんが、携帯チームのゼルダはハードの特徴を謎解きに活用してくる傾向があります。Nintendo Switch でもし携帯チームのゼルダが見られるのであれば、その時は今回含まれていないHD振動など Switch の特徴を活かした謎解きが盛り込まれることを期待できます。