1994年にスーパーファミコンで発売された『LIVE A LIVE(ライブアライブ)』が HD-2D の映像表現を用いてリメイク。2022 年 7 月 22 日、Nintendo Switch で発売されました。
オリジナル版のディレクターでリメイク版ではプロデューサーを努めているスクウェア・エニックス(当時はスクウェア)の時田貴司氏によると、今回のリメイクには任天堂の存在も大きかったようです。
『ライブアライブ』リメイク実現は20周年のVC化がきっかけだった
『LAL』は発売 20 周年を記念して 2015 年 6 月 24 日に Wii U でバーチャルコンソール(Virtual Console、VC)が配信。オリジナル版以外では移植されてこなかったので、まさにここが復活を遂げたタイミングとなりました。その後 2016 年には New ニンテンドー 3DS 向け VC でも配信されています。
時田氏によると、20 周年での VC 化は任天堂から配信の提案を受けたことで話が動き出したのだそう。なんでも任天堂社内に作品のファンがおり、提案を受けたことをきっかけとしてそこから小学館と相談を始めていったと。
「20周年の時にバーチャルコンソールのお声がけをいただかなかったら、ここ(リメイク)にはつながらなかったかもしれない」と時田氏は振り返っています。
またリメイク実現に至るまでの一番の壁は何だったのかという質問に対して時田氏は、多くのユーザーが障壁なのだろうと考えていた版権の問題よりも(それもあるにせよ)、そもそも当時そんなに売れなかったからとセールス面を理由に挙げています。
『ライブアライブ』が発売された 1994 年、スーパーファミコンはライフサイクルが中期から後期に差し掛かっています。脂が乗っている時期であり、ハードの扱いに慣れたソフトメーカーから多数のソフトが発売されていました。
当時人気ジャンルだったRPGもこの時期は注目作が複数登場。スクウェア自身『ファイナルファンタジーVI』をこの年に発売していたほか、任天堂の『MOTHER2 ギーグの逆襲』は『ライブアライブ』と同時期に発売。翌年には『クロノ・トリガー』も控えていました。また1994年は3D機能を搭載した32ビット機の発売ラッシュ。PlayStation やセガサターンなどが世に出たタイミングでもありました。
こうした話題の陰に隠れてしまったこともあり、また動画内でも出てきますが、当時イケイケだったスクウェアは続編制作のラインを “売上100万本” 以上に設定していたこともあり、『ライブアライブ』のセールスは失敗という評価が下されてしまいます(とはいえ約 30 万本売れており、さまざまな挑戦をした意欲的な新規タイトルとして見れば決して悪くないと思うのですが……)。