今年はじめに任天堂から発表され、4月に第1弾が発売された『Nintendo Labo』。Nintendo Switchとダンボール製の工作キットを組み合わせてプレイする、新しい遊びの提案として発売されたシリーズです。
9月に発売された『Drive Kit』も含めて、今のところ当初の反響ほどのビッグヒットにはつながっていませんが、任天堂は『Nintendo Labo』が初めて迎えるこの年末商戦で、販売が伸びることを期待しているようです。
「新しい遊びの提案」として大々的に発表されたことやその後の反響を考えると、イマイチ売上がついてきていない一連の『Nintendo Labo』シリーズ。戦略的商品だと理解した上で、ビジネス的にどうなのか、来年以降も拡販に注力していくのか。あるいは新しい形でのチャレンジを考えているのかという質問が、第2四半期決算説明会でも出ています。
これについて古川社長は、まず『Nintendo Labo』の現状について、購入者からは一定の評価をしてもらえていると回答。その上で、子供にプレゼントしたいと思ってもらえる商品なので、ラボにとって初めて迎える年末商戦で販売が伸びていくことを期待しているとコメントしています。
任天堂としては、『Nintendo Labo』が人気シリーズある『マリオ』や『ゼルダ』といったゲームとは違う売れ方になるだろうことは発売前から想定していたそうで、だからこそ短期では判断せず、今後も Nintendo Switch ならではの新しい遊びとして⾧く売れ続ける商品にしていきたいと考えているのだそう。海外では小学校の教材として使ってもらおうという試みもあり、従来型ゲームとは違う目線で販売戦略を練っているようです。
ただご存知のように年末商戦は他タイトルも大きく動く、年間で最も大きな商戦期です。
任天堂も『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』といった目玉タイトルを準備して臨みますし、10月発売の『スーパーマリオパーティ』や、それ以前の『スプラトゥーン2』『マリオカート8 デラックス』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などの定番タイトルも『Nintendo Labo』のライバルとなり得る存在です。
年末商戦だからと爆発的に売上を伸ばすということは、これまでのGWや夏季商戦の動きを見ると厳しいかもしれません。
Q12
「Nintendo Labo」は、Nintendo Switch のプラットフォームサイクルを考える上で、フランチャイズのタイトル(人気シリーズの作品)に関心を示されない層にアピールしていくための戦略的商品だと理解しているが、そのような目的上、来年以降も「Nintendo Labo」の拡販に注力していくつもりなのか、それとも、新しい形でのチャレンジを継続的に提案していくことを考えているのか。A12 古川:
新しい遊びの提案として発売した「Nintendo Labo」は、ご購入いただいたお客様には一定の評価をいただいていると思います。お子様にプレゼントしたいと思っていただける商品ですので、これから迎える「Nintendo Labo」にとっての初めての年末商戦期に、販売の伸びを期待しています。ただ、従来の「マリオ」や「ゼルダ」といったゲームとは違う売れ方になるということは事前に想定しており、今後も Nintendo Switch ならではの新しい遊びとして⾧く売れ続ける商品にしていきたいと考えています。
一方、従来のフランチャイズゲームタイトル以外で Nintendo Switch のユーザー層を拡大していくという取り組みに関しては、「Nintendo Labo」以外にも新たな提案をいろいろ考えています。またお話しできるタイミングになりましたら発表したいと思います。
ラボではない、また別の新しい提案も準備中
一方、質問の後半部分である「新しい形でのチャレンジを継続的に提案していくことを考えているのか」について古川社長は、従来のフランチャイズゲームタイトル(マリオやゼルダ、スプラトゥーン、どうぶつの森など)以外で Nintendo Switch のユーザー層を拡大していくという取り組みに関しては、『Nintendo Labo』以外にも新たな提案をいろいろ考えていると回答。
もちろんそのプロジェクトの詳細について現時点では伏せられているものの、Nintendo Switch で任天堂は、また別の新たな提案を計画しているようです。「またお話しできるタイミングになりましたら発表したいと思います」ということで、水面下では実際に何かしらのプロジェクトが製品化に向けて動いているようです。