2011年に発売されたニンテンドー3DS。画面が大きな3DS LLや立体視を省いた2DS、機能を強化した“New”系統など、さまざまな本体バリエーションの発売によって、2018年9月末までに世界7,350万台以上普及する人気ゲーム機となっています。
とはいえ、初代ハードの発売開始から8年目を迎えていることやNintendo Switchの普及によって、今年度はここまでのところ、ハード・ソフトともに市場が大きく縮小。任天堂は携帯型ゲーム機ビジネスの今後について、どう考えているのでしょうか。
第2四半期決算説明会で任天堂・古川社長はニンテンドー3DSについて「需要のある限り販売を継続していきたいと考えている」として、まだ当面の間は3DSでビジネスを続けていく考えを明らかにしました。
古川社長は3DSの現状について「初めてゲームに触れる層に需要が移行している」と3DSの中心ユーザー層が変わってきている点を指摘。そうしたエントリー層にとっては、需要が最も盛り上がるのはホリデー商戦であることから、このタイミングで販売を最大化させていきたいと強調しました。
2018年4〜9月の3DS販売は先行して普及した日本で、前年と比べると落ち込みが大きくなっています(76万台→23万台)。このことから任天堂では、今後3DSの販売は、まだ伸びしろがあると考えられる海外市場が中心になっていくのではないかと分析しているそうです。実際、海外では『マリオカート7』を同梱したNewニンテンドー2DS LL本体セットを価格据え置きで発売するなど、引き続き販売拡大に取り組んでいます。
Nintendo Switch は持ち運びができるという点で携帯型ゲーム機と競合しますが、ニンテンドー3DSはサイズや重量といった手軽さや携帯性、価格面で、携帯型ゲーム機として優位性があり、両者の特長は異なっていると任天堂では分析。しっかりと棲み分けができていると説明します。
加えて、手頃な価格でハード・ソフトを購入できるニンテンドー3DSは、長期的に見れば、任天堂IPと顧客との最初の接点にもなり得る重要な位置づけの商品であると強調。こうした理由から、まだ当面は3DSでのビジネスを続けていくとしています。質疑応答でも古川社長は3DSビジネスについて「需要のある限り販売を継続していきたいと考えている」と回答しています。
任天堂の3DS向け新作は『ルイージマンション』の後12月に『マリオ&ルイージRPG3 DX』、2019年は『毛糸のカービィ プラス』が予定されています。
というわけで、ニンテンドー3DSビジネスの今後について という話題でした。3DSを任天堂ゲーム機への入り口として考えているという話は以前から出てきていますが、売上が大きく落ち込んでいる今年これまでの携帯機市場を見ると、当面は継続していく考えとはいえ、3DSからの卒業もそう遠くはないのかなと感じます。
任天堂の売上高全体に占める3DSプラットフォームの割合は、2017年4-9月は21%でしたが、2018年4-9月は7%でした。