イギリスのエンターテインメント小売業協会(ERA, Entertainment Retailers Association)が、2017年のエンターテインメント市場について、GfK や IHS など複数調査会社のデータに基づいて販売規模をまとめています。
音楽や映像コンテンツ、ゲームを合わせたエンタメ産業の市場規模は72億4270万ポンドで、2016年から8.8%増加しました。牽引したのはストリーミングを含むデジタル市場で、16.7%増加の52億830万ポンド。一方、パッケージは7.2%減少して20億3440万ポンドでした。
パッケージが復調しデジタルが伸びたゲーム市場は過去最高を記録
2017年のUKゲーム市場は、パッケージ(フィジカル)とデジタルをあわせた全体で33億5260万ポンドを販売。2016年から9.6%増加し、過去最高を記録しました。パッケージは発表されている通り2.1%増の7億9240万ポンド、デジタルは12.1%増の25億6020万ポンドとなり、市場の拡大に貢献しています(デジタルにはオンラインやモバイル・タブレット経由のゲーム収入も含まれます)。
パッケージ販売の増加は、2016年に16.4%減と大きく縮小したことからの反動や、『Nintendo Switch の登場などでソフトの販売単価が上昇したことが主な要因。据置型ゲーム機向けソフトの販売は前年比で5%増加しました。
パッケージ:7億9240万ポンド(+2.1%)
デジタル:25億6020万ポンド(+12.1%)
トータル:33億5260万ポンド(+9.6%)
音楽・映像はストリーミングが中心に
映像
26億8860万ポンドを販売した映像コンテンツはデジタルへの移行が顕著。Netflix や Sky Store、Amazon、Google、Apple などによるデジタルが22.2%増の19億600万ポンドを販売し、7割超のシェアを獲得する一方で、パッケージ販売は17%減の7億4210万ポンド、パッケージのレンタルは16.3%の4050万ポンドとなっています。
DVDの販売額は18.4%減、Blu-rayも11.4%減少しました。
パッケージ・販売:7億4210万ポンド(▲17.0%)
パッケージ・レンタル:4050万ポンド(▲16.3%)
デジタル:19億600万ポンド(+22.2%)
トータル:26億8860万ポンド(+7.5%)
音楽
パッケージからデジタル・ダウンロード、そして次の潮流としてストリーミング配信の普及が進んでいる音楽産業。音楽の売上は9.6%増の12億150万ポンドで、2016年(4.6%増)の2倍の成長率を達成しました。
最も伸びた分野は、Spotify や Apple Music、Amazon、Deeze など主流となってきたストリーミング配信で、前年比41.9%増の5億7710万ポンド。ストリーミングは今年初めて5億ポンドを突破しています。一方でダウンロードは23.1%減少して1億6500万ポンドでした。ダウンロードと比較すると緩やかな縮小となっているパッケージ販売は、3.4%減の4億5940万ポンドでした。
なお、パッケージが縮小する中でもレコードは存在感を見せており、10年連続増加傾向。2017年は33.7%増の8770万ポンドを販売したということです。
パッケージ:4億5940万ポンド(▲3.4%)
ダウンロード:1億6500万ポンド(▲23.1%)
ストリーミング:5億7710万ポンド(+41.9%)
トータル:12億150万ポンド(+9.6%)