カプコンの辻本春弘社長が東洋経済オンラインのインタビューに応じ、世界的に好調な販売が続く Nintendo Switch の印象と、どのように対応していくかを語りました。
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Nintendo Switch の印象とカプコンの対応
まずスイッチの印象については、「ユーザーはスイッチというゲーム機そのものに興味を感じて購入している」とコメント。「小学生の二女も、それまでは家庭用ゲーム機で遊ばなかったのに、スイッチは欲しいと言ってきた」と、家族の話を交えて語りました。
辻本社長は「ソフトメーカーとして重要なのは、ユーザーがスイッチのゲームに何を求めているかを理解すること」だとコメント。
現在のスイッチと似た状況として、ニンテンドーDSやWiiといった、独自の特長を持ちながら爆発的にヒットした過去ハードを例にあげ、任天堂自身がハード機能を活かしたゲームを展開し開拓していったと振り返ります。
この時、いち早くハードの特長を取り入れたゲームの中にはヒットするタイトルもありましたが、従来型のゲームは出遅れました。「ゲーム機の特性にフィットしたゲームを出していかないと見向きもされない」と辻本社長。
ではカプコンはどのようにしてスイッチへ対応するのでしょうか。
辻本社長によれば、カプコンはどの機種に対してもゲームを提供できる体制を目指して、基礎研究を進めています。スイッチについても、5月に参入第1弾『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』を発売し、状況を見ながら対応を考えていくと語り、ユーザー層や遊ばれ方を自社タイトルで探っていくとの考えを示しました。
スイッチの大きな特長としては、据置型ゲーム機でありながら携帯型ゲーム機のように持ち運べるハイブリッドコンソールであること、コントローラー Joy-Con で手軽にマルチプレイを楽しめること、表現力豊かなHD振動といったものがあります。
「マルチプレイ」のしやすさに目をつけローンチに間に合ったコナミの『スーパーボンバーマンR』は、初月に50万本を越えるヒットを記録しました。
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モンハンはどこへ行く?
任天堂プラットフォーム向けのカプコンタイトルで最も注目されるのは、カプコンを支えるブランドの1つである『モンスターハンター』の動向です。ニンテンドー3DSでは『3G』から『ダブルクロス』まで5タイトルを発売し、2017年3月末までに世界1670万本を販売。初代からのシリーズ累計では、7000万本の『バイオハザード』に次ぐ4000万本を販売する看板ブランドです。
辻本社長の言う「ゲーム機の特性にフィットしたゲーム」という意味で、Nintendo Switch は、据置型ゲーム機で出発した『モンハン』で根強い、高品質なグラフィックやテレビの大画面で遊びたいという要望と、友人同士のコミュニケーションツールとして大ヒットした携帯機向け路線の両方を満たせるハード。
『モンスターハンター5』は、はたしてどのゲーム機で発売されるのか。そもそもいつになるのかも今のところ不明ですが、2月の GCC17 にて、カプコンがスイッチ本体の開発に協力した1社であることが明らかになっており(カプコンを含む開発会社の要望で本体に搭載されるメインメモリが増加など)、『ウル2』以外にも水面下で動いているプロジェクトがあるのではと見られています。
またこのセッションでは、カプコンは『バイオハザード7』に使われた RE ENGINE のスイッチ対応を想定していることも明らかに。さらにスイッチでAAAタイトルの制作も行いたいとの発言もあったということで、『モンハン』の対応が期待されています。
ウルトラストリートファイターII
『ウルトラストリートファイターII』は人気対戦格闘『ストリートファイターII』シリーズの新作。リファインされた新グラフィック(懐かしいドット絵スタイルと変更可能)や新キャラクター、「TVモード」「テーブルモード」「携帯モード」それぞれに対応したプレイスタイル、2人で協力して強敵を倒す「バディファイト」、世界中の猛者との通信対戦などを楽しめます。
[追記]
言ってるそばから Nintendo Switch 向けの『モンスターハンター』が発表。まずはこの3月に発売された『モンスターハンターダブルクロス』が対応するようです。
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