カプコンが7日に発表した2015年3月期の通期連結業績は、売上高が前期比37.1%マイナスの642億7700万円の大幅減。しかしながら、営業利益は105億8200万円で2.7%プラス、純利益も92.1%プラスの66億1600万円となりました。
Contents
モンハン4Gは340万本を販売
欧米で100万本を突破した『モンスターハンター4G』は、3月末までに340万本を販売。また『バイオハザード リベレーションズ2』が110万本、『バイオハザード HDリマスター』も90万本を突破するなど、主力・派生共に着実な販売を記録。総販売本数は、発売タイトル数の絞り込みによって450万本減の1300万本でしたが、ダウンロード版が500万本に到達するなど、デジタルの販売比率が約4割に上昇する動きを見せました。
モバイルコンテンツはヒット作不在で減収も、採算性は向上。ただ、前年度の『モンスターハンター4』の反動減を補い切るには至らず、売上高は31.1%減の453億5100万円、営業利益は127.4%プラスの102億800万円となりました。
売上内訳は、家庭用ゲーム機向けパッケージが262億円、DLCが90億円、モバイルコンテンツが41億円、PCその他が60億円。
パチスロ機の発売延期も痛手で、アミューズメント機器事業の売上高は67.4%マイナスの75億4000万円。営業利益は61.6%の27億3600万円でした。アミューズメント施設事業は13.0%マイナスの92億4100万円、営業利益9億4000万円でした。
2015年3月期 連結業績
売上高:642億7700万円(前年同期比-37.1%)
営業利益:105億8200万円(+2.7%)
経常利益:108億5100万円(-0.9%)
当期純利益:66億1600万円(+92.1%)
セグメント別売上高
デジタルコンテンツ:453億51000万円(前年同期比-31.1%)
アミューズメント施設:92億4100万円(-13.0%)
アミューズメント機器:75億4000万円(-67.4%)
その他:21億4400万円(-17.4%)
セグメント別営業損益
デジタルコンテンツ:営業利益102億800万円(前年同期比+127.4%)
アミューズメント施設:営業利益9億4000万円(-41.8%)
アミューズメント機器:営業利益27億3600万円(-61.6%)
その他:営業利益6億1000万円(-34.0%)
2016年3月期:スト5やモンハン関連タイトルを発売予定
2015年4月〜2016年3月期は、『ストリートファイターV』など人気シリーズの最新作を投入予定であるほか、過去の人気作品をHDリマスター化するなどしてIP資産の活用を推進。また、過去作品をダウンロード販売したり、有力タイトルにはDLCを戦略的に投入して製品寿命を長期化するなど、デジタル市場の拡大も目指します。
2016年3月期の目標販売本数は、3DS向け『モンスターハンター関連タイトル』が250万本、PS4/PC『ストリートファイターV』が200万本。全体では2015年3月期並と同程度の1300万本を見込みます。
カプコンはデジタル販売がさらに拡大すると見ており、2016年3月期は2015年3月期から200万本上乗せして700万本の計画。となると、パッケージ販売は相対的に減少することを意味しており、海外セールスは北米でマイナス120万本の120万本、欧州でマイナス100万本の30万本など、わずか600万本にとどまるとの予測。海外市場に通用する大型タイトルの発売は、今の段階では見当たらず、国内向けが中心となるようです。
国内では『モンハン』が華やかな売り上げを見せ、元気に見えるカプコンですが、新規タイトルをなかなか生み出せず、モバイル展開も遅れる苦しい立場にあります。人気のキャラクターやゲームシリーズを多く抱えているだけに、リバイバル需要等も取り込んで軌道に乗せていきたいところ。
2016年3月期は、デジタルコンテンツ及びパチスロ機の販売強化による増収増益を見込み、売上高760億円、営業利益120億円、経常利益117億円、純利益77億円の見通し。