任天堂の24年3月期は増収増益、『ゼルダ』『マリオ』『ピクミン』ヒットに為替差益も寄与


The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom(ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム)

 

任天堂が2024年5月7日に発表した2024年3月期通期決算(2023年4月〜2024年3月)は、前期と比べ売上高が4.4%増の1兆6,718億円、営業利益が4.9%増の5,289億円、経常利益は13.2%増の6,804億円、純利益は13.4%増の4,906億円と増収増益でした。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』『ピクミン4』など新作タイトルがヒットしたことに加え、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の好影響や、為替差益や受取利息の増加も寄与しました。

Nintendo Switch は本体1570万台、ソフト1億9,967万本を販売。この3月で発売から7周年を迎え、8年目に突入しているスイッチ。おおよそ 5 〜 6 年で世代交代する一般的な家庭用ゲーム機のライフサイクルを超えて、現役ハードとして長く活躍しています。たださすがに足下では販売ペースが鈍ってきており、この1年の販売数は前期と比べてハードが12.6%の減少、ソフトは6.7%の減少となりました。

任天堂 決算 2024年3月期

  • 売上高:1兆6,718億円(+4.4%)
  • 営業利益:5,289億円(+4.9%)
  • 経常利益:6,804億円(+13.2%)
  • 純利益:4906億円(+13.4%)
  • ゲーム専用機*:1兆5678億円(+1.5%)
  • モバイル・IP関連収入等**:927億円(+81.6%)
  • その他***:112億円(+98.5%)

*ハード・ソフト・追加コンテンツ・Nintendo Switch Online・アクセサリなど

**映像コンテンツ収入、スマホ課金収入、ロイヤリティ収入など

***Nintendo TOKYOなどオフィシャルストアにおけるグッズ販売やトランプなど

パッケージソフトのダウンロード版や追加コンテンツ、ダウンロード専用ソフト、Nintendo Switch Onlie を含むデジタル売上高は、9.4%増の4433億円。円安による為替の影響も寄与しました。デジタル売上高比率(ソフト売上高に占めるデジタル売上高の割合)は50.2%で、任天堂プラットフォームにおいても過半数を占めています。

ミリオンセラータイトル

2023年4月〜2024年3月の任天堂ソフトのミリオンセラーは以下の通りとなりました。1位の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は年末から33万本数字を伸ばして2061万本でした。2位『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』は148万本増の1344万本。

任天堂が発表しているのは自社タイトル20本のみですが、ソフトメーカーのタイトルも合わせると31タイトルになったということです。

  • ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム – 2061万本(国内 371万本 / 海外 1690万本)
  • スーパーマリオブラザーズ ワンダー – 1344万本(国内 268万本 / 海外 1075万本)
  • マリオカート8 デラックス – 818万本(国内 93万本 / 海外 1075万本 / 累計 6197万本)
  • Nintendo Switch Sports – 351万本(国内 38万本 / 海外 313万本 / 累計1311万本)
  • ピクミン4 – 348万本(国内 187万本 / 海外 161万本)
  • スーパーマリオRPG – 331万本(国内 86万本 / 海外 245万本)
  • あつまれ どうぶつの森 – 315万本(国内 60万本 / 海外 255万本 / 累計4536万本)
  • 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL – 313万本(国内 60万本 / 海外 253万本 / 累計3422万本)
  • ポケットモンスター スカーレット・バイオレット – 282万本(国内 84万本 / 海外 198万本 / 累計2492万本)
  • マリオパーティ スーパースターズ – 272万本(国内 41万本 / 海外 232万本 / 累計1289万本)
  • スーパーマリオ オデッセイ – 220万本(国内 25万本 / 海外 195万本 / 累計2796万本)
  • スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド – 210万本(国内 17万本 / 海外 192万本 / 累計1347万本)
  • ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド – 204万本(国内 34万本 / 海外 170万本 / 累計3185万本)
  • New スーパーマリオブラザーズ U デラックス – 203万本(国内 16万本 / 海外 188万本 / 累計1745万本)
  • スーパー マリオパーティ – 152万本(国内 23万本 / 海外 129万本 / 累計2066万本)
  • ルイージマンション3 – 142万本(国内 17万本 / 海外 125万本 / 累計1425万本)
  • スプラトゥーン3 – 129万本(国内55万本 / 海外74万本 / 累計1196万本)
  • プリンセスピーチ Showtime! – 122万本(国内 21万本 / 海外101万本)
  • マリオ vs. ドンキーコング – 112万本(国内 21万本 / 海外91万本)
  • 星のカービィ ディスカバリー – 106万本(国内 18万本 / 海外88万本 / 累計752万本)

来期の見通し

2025年3月期の業績予想について、売上高は19.3%減の1兆3,500億円、営業利益は24.4%減の4,000億円、経常利益は38.3%減の4,200億円、純利益は38.9%減の3,000億円を見込みます。

任天堂は2025年3月期も Nintendo Switch 中心のビジネスですが、ハードは今期から220万台減の1,350万台、ソフトは3,467万本減の1億6,500万本の予想となっています。

また2025年3月期は1ドル140円、1ユーロ155円と為替を現在のレートより厳し目に、円高方向へ動くと見積もっていることもあって大幅な減収減益となる見通しです。配当金もこのままいくと、2024年3月期の211円から129円へと大幅な減額となる予想です。

※ソフト販売実績には本体同梱版を含みますが、予想値には同梱版は含まれません。

次世代機は

今回の注目は Nintendo Switch の後継機種に関して。ついに動きがあり、任天堂の古川俊太郎社長は今期中(2024年4月〜2025年3月)に、後継機に関するアナウンスを行うと発表しています。発表だけに終わるのか、それとも25年3月末までに発売されるのかどうか。


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