任天堂の22年4-9月は純利益34%増、『スプラトゥーン3』が790万本などスイッチ向けソフト好調


Splatoon 3 スプラトゥーン3

 

任天堂が2022年11月8日に発表した2023年3月期第2四半期決算(2022年4-9月)は、売上高が5.2%増の6569.7億円、営業利益が0.2%増の2203.9億円、経常利益が36.5%増の3224.6億円、純利益が34.1%増の2304.5億円でした。

半導体不足などの影響により Nintendo Switch 販売は苦戦しているものの、初月で 790 万本を突破した『スプラトゥーン3』をはじめとするソフトが好調でした。また円安の影響で為替差益が760億円発生。経常利益・純利益を押し上げました。

スプラトゥーン3は初動790万本

  • 売上高 : 6,569億7,400万円(+5.2%)
  • 営業利益 : 2,203億8,700万円(+0.2%)
  • 経常利益 : 3,224億6,400万円(+36.5%)
  • 純利益 : 2,304億5,100万円(+34.1%)
セグメント別
  • Nintendo Switch : 6,161億4,300万円(+5.9%)
  • その他ゲーム専用機 : 152億6,900万円(▲2.4%)
  • モバイル・IP関連収入等 : 235億8,100万円(▲7.5%)
  • その他(トランプ他) : 19億7,900万円(+51.5%)
  • ゲーム専用機に含まれるデジタル売上高 : 1,878億円(+30.2%)

Nintendo Switch : ハード・ソフト(パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Online含む)・アクセサリです。

その他ゲーム専用機 : Nintendo Switch以外のゲームプラットフォームやamiibo等です。

モバイル・IP関連収入等 : スマートデバイス向け課金収入、ロイヤリティ収入等です。

パッケージ併売ダウンロードソフト、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Online等の売上高です。

2022年4月〜9月の最大ヒットは 790 万本を販売した『スプラトゥーン3』でした。集計期間は 3 週間ほどですが、任天堂ソフトとして2022年上半期最大ヒット作に。内訳は国内が 501 万本、海外は 289 万本。こと国内ではとんでもないペースで売れています。

『Nintendo Switch Sports』(615万本)もヒット。『マリオストライカーズ バトルリーグ』(217万本)や『Xenoblade3(ゼノブレイド3)』(172万本)もミリオンを突破しています。

また『マリオカート8 デラックス』が307万本(累計4,841万本)、『星のカービィ ディスカバリー』が261万本(累計527万本)を販売するなど、前期以前に発売された旧作タイトルも安定した数字を残しています。

加えてサードパーティータイトルも販売を伸ばしたことから、2022年4〜9月のソフトウェア販売本数は前年同期比 1.6% 増の 9,541 万本となりました。

一方でハードウェアの販売は半導体不足などの影響により、前年同期比19.2%減と苦戦。668万台でした。

この結果、ニンテンドースイッチの販売台数は累計1億1,433万台、ソフトは累計9億1,759万本となりました。

ソフトに引っ張られるかたちでデジタルビジネスも好調でした。パッケージ版ソフトのダウンロード版(スプラトゥーン3、Nintendo Switch Sports、マリオカート8 デラックスなど)が好調に推移したほか、Nintendo Switch Online の売上も増加。サードパーティータイトルの追加コンテンツやダウンロード専用ソフトも販売を伸ばし(カービィのグルメフェス、マリオカート8 デラックス コース追加パスなど)、売上高は前年同期比30.2%増の1,878億円でした。

モバイル・IP関連収入等は伸び悩んでいます。ロイヤリティ収入は安定的に推移したものの、スマホ向けの課金収入は減少。売上高は前年同期比7.5%マイナスの235億円でした。

ミリオンセラータイトル(22年4-9月)

  1. スプラトゥーン3 – 790万本(国内 : 501/ 海外 : 289)
  2. Nintendo Switch Sports – 615万本(国内 : 123 / 海外 : 491)
  3. マリオカート8 デラックス – 307万本(国内 : 59 / 海外 : 248) / 累計 4,841 万本
  4. 星のカービィ ディスカバリー – 261万本(国内 : 60 / 海外 : 202) / 累計 527 万本
  5. マリオストライカーズ バトルリーグ – 217万本(国内 : 15 / 海外 : 201)
  6. ゼノブレイド3 – 172万本(国内 : 48 / 海外 : 124)
  7. あつまれ どうぶつの森 – 153万本(国内 : 26 / 海外 : 127) / 累計4,017万本
  8. 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL – 135万本(国内 : 28 / 海外 : 107) / 累計2,953万本
  9. Pokémon LEGENDS アルセウス – 128万本(国内 : 12 / 海外 : 115) / 累計 1,391万本
  10. ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド – 122万本(国内 : 22/ 海外 : 100) / 累計2,779万本
  11. マリオパーティ スーパースターズ – 119万本(国内 : 19 / 海外 : 100) / 累計807万本

上方修正

上期の結果や足元の動向を踏まえ、任天堂は業績予想の上方修正を発表しています。売上高は500億円(3.1%)増の1兆6,500億円に。営業利益は変わらず。経常利益は800億円(16.7%)増の5,600億円に、純利益は600億円(17.6%)増の4,000億円になりそうだとしています。

ハード販売計画も見直し、期初の 2,100 万台から 1,900 万台へ 200 万台減。任天堂によると半導体部品等の調達は徐々に改善し、ハードウェアの⽣産は回復傾向にあります。ただこれまでの⽣産および出荷の状況を踏まえてスイッチ本体の予想販売数量を見直したとのこと。

一方、好調なソフトは2億1,000万本の計画を据え置いています。

また円安傾向が続いていることから、ついに想定為替レートを見直し。ドル円は115円から135円へ、ユーロ円は125円から135円へと変更しています。

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