セガサミーホールディングスが4月26日に発表した2019年3月期の通期決算は、売上高が3316億円(+2.5%)、営業利益は131億円(▲26.2%)、経常利益は75億円(▲48.6%)、純利益は26億円(▲70.4%)でした。純利益は70%を超す大幅な減益となったものの、、固定資産売却益等の特別利益を計上したことなどから、2月発表の最終赤字転落を免れたかたちとなっています。
家庭用ゲームを含むエンタテインメントコンテンツ事業の売上高は5.6%増の2196億円。営業利益は33.6%減の98億5700万円でした。
売上に関しては以前よりいくらか持ち直しつつあるデジタルゲーム分野ですが、複数の新作タイトルをサービス開始した中で、想定した評価を獲得できず、また既存運営タイトルも減衰が続いたため、当初想定を大幅に下回りました。売上高は408億円、営業損益は19億円の赤字でした。
パッケージゲーム分野では主に『Yakuza 6: The Song of Life』(海外版:龍が如く6 命の詩。)や『Football Manager 2019』『JUDGE EYES︓死神の遺⾔』といったタイトルが発売。発売予定タイトルの延期もあり必ずしも想定通りではありませんでしたが、旧作群のリピート販売が好調だったこともあり、前期1,733万本を600万本以上上回る2,344万本を記録しました。売上高は546億円、営業利益は82億円でした。
デジタルゲーム分野では収益性改善のため、モバイル向け既存タイトル運営数や新作タイトル投入規模の適正化を進めるとともに、収益性が見込めるIP活用タイトルを中心に、新作タイトルを投入していく計画。また、パッケージゲーム分野等へのリソース配分を進め、収益改善を図っていくとしています。
パッケージゲーム分野では、全地域においてマルチデバイス向けのIP展開をより一層強化。東京2020オリンピック公式ゲーム等のIPを活用したタイトルをはじめ、複数の新作タイトルの投入を進めると同時に、既存タイトルのリピート販売による収益の拡大を目指していくとしています。
パッケージゲームの2020年3月期以降予定タイトルは、『Total War: THREE KINGDOMS』や『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』『チームソニックレーシング』『新サクラ大戦』『東京2020オリンピック The Official Video Game』『龍が如く最新作(仮題)』など。
Wii時代に1,000万本以上を記録することもあった『マリオ&ソニック』の最新作『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』がNintendo Switchで発売予定。スイッチの好調もあって、今回かなり期待も大きそうです。
パッケージゲーム分野は20年3月期、売上高840億円、営業利益60億円の計画です。
大型新作タイトルを多数投入することで大幅増収を見込んでいますが、その一方で開発費や広告宣伝費等もかさみます。さらにリピート販売が減少する見通しで減益となる予想。販売本数は新作で1069万本、リピートとの合計で2519万本を目指します。
エンタテインメントコンテンツ事業は一時デジタルが牽引していましたが、ここへきてパッケージゲーム分野の売上が伸びているのですよね。AMも業績改善。
その他、遊技機事業の売上高は4%減の1014億円、営業利益は13.1%増の134億円でした。リゾート事業の売上高は6.6%増の105億円、営業損益は24億円の赤字でした(前期は25億円の赤字)。