スクエニの4-9月は減収減益、『ドラクエ11』の反動減、スマホ向け新作も想定を下回る


 

スクウェア・エニックス・ホールディングスが11月7日に発表した2019年3月期第2四半期(2018年4〜9月)決算は、『ドラゴンクエストXI』の反動減など主力のデジタルエンタテインメント事業で苦戦したこともあって減収減益でした。完全子会社であるLuminous Productionsの事業方針の抜本的見直しを行い、特別損失37億円を計上したこともあり、最終損益は半減。

売上高は15%減の1122億円、営業利益は61%減の101億円、経常利益は44%減の150億円、純利益は51%減の86億円でした。

デジタルエンタテインメント事業の売上高は19%減の828億円、営業利益は51%減の130億円でした。

家庭用ゲーム機向けタイトルは前年同期と比べて減収減益。新規IPである『OCTOPATH TRAVELER』や新生トゥームレイダートリロジーの最終作である『SHADOW OF THE TOMB RAIDER』を発売したものの、『ドラゴンクエストXI』分を補うまでとはいきませんでした。

家庭用ゲームではこのところ各タイトルの製品ライフサイクルが伸びていることから、スクエニもポストローンチ施策の強化を検討。新規タイトルを定期的に発売してカタログタイトルを充実させ、サブスクリプションモデルへの対応により収益機会の拡大を図っていくということです。

スマホ・PCブラウザ等向けコンテンツは、前期にサービスを開始したタイトルの多くが想定を下回っていて、既存有力タイトルの売上に上乗せするにはいたらず。またライセンス収入も減少し、前年同期比で減収減益となりました。今後の事業戦略として「選択と集中」を進め、新規タイトル数を絞り込むほか、組織体制の見直し、開発運営チームの再構築も行っていくということです。

多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム分野では、前年同期に『ファイナルファンタジーXIV』拡張版ディスクの発売があった影響から、前年同期比で減収減益となりました。今期は拡張版ディスク販売が予定されていないため、通期でもディスク販売の売上高は減少する見込みです。

4-9月の売上高はHDゲームが304億円(▲20%)、MMOが127億円(▲26%)、スマホ・PCなどが393億円(▲15%)でした。

アミューズメント施設の運営、アミューズメント施設向け業務用ゲーム機器・関連商製品の企画・開発・販売を行っているアミューズメント事業の売上高は3%減の21億円、営業利益は71%減の7億円でした。店舗運営は堅調だったものの、新作を欠いたアミューズメント機器は低調でした。

コミック雑誌・コミック単行本・ゲーム関連書籍等の出版・許諾等を行う出版事業の売上高は8%増の61億円、営業利益は10%増の15億円でした。紙媒体でのコミック単行本売上が前年同期比で減少しているものの、電子書籍形式での販売が増加したことで増収増益でした。

グループのコンテンツに関する二次的著作物の企画・制作・販売及びライセンス許諾を行っているライツ・プロパティ等事業の売上高は18%減の33億円、営業利益は75%減の3億円でした。前年同期に自社コンテンツの新規キャラクターグッズ等の投入があった反動減で、今期は前年同期比で減収減益となっています。

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