戦国時代の中国を舞台にしたジャッキー・チェン作品『ラスト・ソルジャー』。今回のジャッキーは農家出身の、戦を嫌う雑兵役。なのでアクションシーンは結構あるんだけど、強いジャッキーが敵をどんどん倒していくなんてことはなくて、追っ手から逃げるのがメイン。得意技は石投げ。
コミカルでその場にある小道具をふんだんに使う、強いジャッキーアクションを期待しているとちょっと違うなあという印象だけど、最近増えてきているドラマ性を重視した、こういう物語はありかなと思う。むしろこうした渋い演技を見せるジャッキーが、今はとても格好いい。
大軍同士がぶつかり合うわけでもなく、表には出てこない歴史の1エピソードのような作品で、ひたすら追っ手から逃げるだけので(途中第三勢力が出てくるけども)、スケールは大きくなく道中ちょっと盛り上がりに欠けるかなと思う。
だけど、国も身分も違う敵の将軍(ワン・リーホン)と少しずつ心が通っていく様子であったり、平和への思い、家族への思いを語るシーンは熱く、そして国へ戻ったジャッキーがとった行動や、そこで待ち受けていた意外なラストは切なく、グッときました。見終えるとタイトルの意味がよく分かる。「ラスト・ソルジャー」も、原題の「大兵小将」も、英題の「LITTLE BIG SOLDIER」も作品をよく表していると思う。
戦乱の中国。戦を好まぬ“梁”の兵士(ジャッキー・チェン)は敵国 “衛”の傷を負った若き将軍(ワン・リーホン)を捕えることに成功する。
将軍は全滅した軍の中、深い傷を負い、まともに動くこともままならなかった。報酬を目当てに兵士は、将軍を捕虜として連れて帰ることにする。
こうして故郷で平和に暮らしたい戦嫌いな兵士と、一国を背負う豪傑将軍という正反対な二人の旅が始まる。
しかし、彼らの行く先を血眼になって追うものがいた。衛の国の捜索隊だった。
やっかいなことに彼らの狙いは将軍の救出ではなく暗殺!! 命がけで将軍を守る羽目になった兵士。果たして無事将軍を連れ、故郷へ帰ることができるのか…。
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