任天堂が目指すスマホ事業の売上規模とは「現在の数百億円単位では満足していない」


 

スマホ事業の強化へ、Cygames (サイゲームス) との業務提携を発表した任天堂。オリジナルの新作『ドラガリアロスト』を共同で開発・運営する計画を、まずは打ち出しています。

『ファイアーエムブレム ヒーローズ』『どうぶつの森 ポケットキャンプ』『スーパーマリオ ラン』が人気だった2018年3月期、「スマートデバイス・IP関連収入等」は前期と比較して62%増加し、393億円の売上となりました。スマホ事業がはじまった2016年3月期からだと、この2期で7倍近くの規模となったスマホ事業ですが、任天堂が目指す収益にはまだ物足りない数字のようです。

任天堂IPに触れる人口の拡大には一定の手応え

任天堂がスマホのゲームアプリで目指しているのは、

  • 任天堂の IP を使うことによって、多くの人たちに任天堂 IP を知ってもらい、最終的にゲーム専⽤機ビジネスとの相乗効果につなげること。
  • もう1つは、スマートデバイスビジネスを、収益の柱の1つにしたいということ。

この2点がよく言われています。『どうぶつの森 ポケットキャンプ』では『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』の売上が伸びたり、また『ポケモンGO』によってポケモン関連商品の売上が伸び、任天堂の収益に貢献したのも記憶に新しいところです。相乗効果という面では、一定の効果が現れている部分もあります。実際、君島社長は決算説明会で、「任天堂IPに触れる人口の拡大という点では、一定の手応えを得ています」とコメントしています。

収益面ではまだ不満、任天堂がスマホ事業で目指している売上高は?

一方で、収益面ではまだ満足できる地点には到達していないと任天堂・君島社長。収益の柱の1つとして育てていくために、さらなる規模拡大を目指すとしています。スマホ事業でどの程度の売上高を目指しているのかについて君島社長は、具体的な目標金額については明らかにせず「現在の数百億円単位の売上では満⾜してはいません」と回答。

2019年も新作が準備されているとは言え、縮小してきているニンテンドー3DSプラットフォームを畳む時がそう遠くないうちにやってくるはずです。その時までに、携帯機ビジネスの完全な代替とはいかないまでも、近い規模にまでは拡大しておきたいところでしょうか。

日経のインタビューに応じた任天堂次期社長の古川氏は、スマホ事業の売上規模について「1000億円」という数字を掲げています。当面はこの数字が目標となりそうです。


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