株式会社エコンテが18日、スマホゲーム『Pokémon GO (ポケモンGO)』利用者のマナーや安全性に関する課題と「ポケモノミクス」と呼ばれる経済効果の状況を知るべく、『ポケモンGO』ユーザー600名(10代、20代、30代、40代、50代、60代以上の利用者、各100名)に対して実施した利用実態に関する調査結果を報告しました。
『ポケモンGO』は位置情報(GPS)や拡張現実(AR)を使って遊ぶ、リアルワールドゲームと呼ばれるジャンル。実際に外に出て、現実世界でポケモンをゲットすることができます。そのため、利用者のマナーや安全性が課題となる一面もあり、実際に事故や事件も発生しています。
一方で、人が動くゲームであることから、観光客誘致であったり各種ビジネスへの経済効果も期待され、「ポケノミクス」あるいは「ポケモノミクス」という言葉も生まれています。
そうした中、エコンテではマナー・安全性や経済効果の状況を知るべくユーザーに対して利用実態に関する調査をインターネットリサーチで実施。その結果が今回発表されました。
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『ポケモンGO』利用者の7割以上が「歩きスマホ」の経験あり
『ポケモンGO』で問題となっている「歩きスマホ」ですが、「歩きスマホをしたことがありますか?」との質問には73.2%が「ある」と回答。年代別で最も多かったのは20代の87.0%。次いで10代が86.0%となっています。最も少なかったのは60代以上の53.0%でした。それでも2人に1人は歩きスマホの経験があるという割合は決して少なくはないよなという印象。
歩きスマホ時に利用する機能のトップ3:「地図」「ゲーム」「チャット」
続けて「歩きスマホ」経験者に、「歩きスマホ」をしている際に利用する機能を質問した結果、上位にきたのは「地図」(47.8%)、「ゲーム」(43.5%)、「チャット(LINEなど)」(36.2%)でした。
その他「メール」(29.4%)や「交通情報」(27.1%)、「音楽」(25.7%)、「SNS」(23.9%)と続いています。
年代別では、10~30代は「チャット(LINEなど)」を多く利用し、40代以降では「メール」を利用する傾向にあるそうです。「地図」「ゲーム」に関しては全ての年代で上位にランクイン。歩きスマホ時の利用が多い機能となっています。
『ポケモンGO』利用後、全ての年代が歩きスマホが「増えた」と回答
次に、「歩きスマホ」経験者に、『ポケモンGO』を利用する前と後で「歩きスマホ」をする頻度がどう変化したのかを質問。その結果、8割以上が「増えた」と回答しました。
増えたと回答したのが最も多かったのは30代の87.5%で、次いで多かったのは60代以上の83.0%でした。画面を見続けなくても遊べる設計になっている『ポケモンGO』ですが、どうしても気になってしまうもの。年代に関わらず「歩きスマホ」の頻度が「増えた」との実感があるようです。
立入禁止区域での利用等のマナー違反は8割以上が「ない」
3つ目の質問は「立入禁止区域や利用を禁止された環境で利用したことがありますか?」。ニュースでも度々報じられる、『ポケモンGO』を遊ぶ際の注意点の1つですが、これは「ない」と回答したユーザーが 81.7% を占めました。しかし「ある」と回答したユーザーも18.3% おり、ポケモン探しに夢中になるあまり、普段は行かないところまで進入してしまうケースがあるようです。
「ある」と答えたユーザーは、具体的にどのような環境下で遊んでいたのかというと、半数以上が「運転中等の特別な注意が必要な環境」(57.3%)、「神社仏閣や病院等、管理者がふさわしくないと考え禁止している場所」(56.4%)だということです。
『ポケモンGO』がきっかけで新たに購入したもの「ない」が8割以上
続いては経済効果について。「ポケモンGOがきっかけで新たに購入したもの」についての質問は、82.3%が「ない」と回答。「ある」と答えたユーザーは17.7%となりました。配信から1ヶ月の間に、2割弱の人が関連消費に動いています。
あると答えた方が購入したアイテムは「モバイルバッテリーなどの充電機器」(58.5%)や「暑さ対策グッズ」(31.1%)、「運動靴などのウォーキング用品」(22.6%)、「ポケットモンスター関連グッズ」(18.9%)など。『ポケモンGO』対応スマートフォンを購入した方も8.5%いました。
『ポケモンGO』で「生活に起こったポジティブ/ネガティブな変化」
運動面・コミュニケーション面でポジティブな変化
最後は、「生活に起こったポジティブ/ネガティブな変化を教えてください」という質問。「ウォーキングをするようになった」だとか「運動不足が解消した」「子どもと出かけられるので楽しい」といった運動面、「家族との会話が増えた」などコミュニケーション面の変化が多く挙がっています。
運動面でのポジティブな変化
- ウォーキングするようになった(女性 17歳)
- 近所を歩くことでお店や公園など新たな発見があった(女性 25歳)
- 観光地に行く機会が増えた(男性 27歳)
- たくさん歩くので健康によい、子供と出かけられるので楽しい(女性 30歳)
- 足を運んだことのない場所へ行って、近場なのに新しい発見があった(男性 46歳)
- 散歩の機会が増えた(男性 59歳)
- 運動不足が解消した(女性 66歳)
コミュニケーション面でのポジティブな変化
- 夜に家族と外出して仲が深まった。父との会話が増えた(男性 16歳)
- 親との会話に繋がった(女性 22歳)
- 同僚との会話が増えた(男性 30歳)
- 子供との会話が多くなった、外出も増えた(男性 43歳)
- 息子たちとの会話が増えた(女性 50歳)
- 高校生の娘との話題が出来た(男性 58歳)
- 外出する機会が増え、家族の会話が増えた(女性 68歳)
ネガティブな変化は「特にない」が半数以上
「生活に起こったネガティブな変化」は「特にない」と回答したユーザーが半数以上をしめました。変化があった方の回答としては、「趣味や勉強時間の減少」や「睡眠時間の減少」といった日常生活での変化や、「スマホのバッテリー消耗」といったスマートフォン利用の問題点が挙がっています。
アプリを起動したまま歩くのでバッテリー消費は仕方ない部分があります。長時間遊ぶならモバイルバッテリーは必須ですね。
日常生活面でのネガティブな変化
- 勉強をする時間が減った(女性 17歳)
- 帰る時間が遅くなった(女性 19歳)
- 睡眠時間が減った(男性 26歳)
- 行く先で飲食代が増えた(男性 31歳)
- 読書する時間が減った(男性 49歳)
- 仕事中にこっそりやってしまった(男性 59歳)
- 目的地に着くのに時間が掛かる(女性 61歳)
スマートフォン利用面でのネガティブな変化
- スマホの電池の減りや通信料が増えた(女性 19歳)
- 電池の減りが早くて、重要な時に利用できない(女性 29歳)
- 充電回数が増えた(男性 37歳)
- バッテリーの消耗が激しくなった(男性 46歳)
- 充電がよく無くなるので、肝心な時にメールや電話が出来なかった(女性 59歳)
調査概要
調査タイトル:ゲームアプリに関するアンケート
調査期間:2016年8月8日~8月9日
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:ポケモンGO利用者の16歳以上の男女 600名(10代、20代、30代、40代、50代、60代以上の各100名)
別の調査会社から「『Pokémon GO (ポケモンGO)』がもたらした生活行動の変化の調査」結果も報告されています。