JR東日本は2024年12月10日、交通系IC「Suica」（スイカ）について、今後10年で利用できる機能を順次刷新していくと発表しました。
タッチ不要で改札内に入れるようになったり、従来2万円だった上限額の緩和、コード決済、個人間送金にも対応予定。
地方では脱 Suica の動きも出てくる中で、JR東日本は中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」に基づいて、生活シーンでも利用できる「生活のデバイス」に Suica を進化させます。
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2万円上限の緩和や個人間送金
上限額の緩和は、2026年秋頃をめどにリリース予定のモバイル Suica アプリのリニューアルで実現。コード決済機能が追加され、従来が上限額2万円だったものが、より高額の買い物にも対応します。個人間の送金サービスにも対応。
おトクなクーポンや、特定のエリアのみで使える、地域限定のご当地 Suicaの展開も予定されているそうです。
マイナンバーカードと連携して、地域内の生活コンテンツやサービス、商品券、給付金の受取や行政サービスの利用も視野に。
センターサーバー化でサブスクなど新サービスが登場
また従来はICカードで管理していたチケットやSF（残高）などのバリューを、センターサーバーで管理する体制へと移行。
これにより、起点とする駅から割引価格で利用できるサブスクの導入や、割引クーポンなど新しいサービスの登場が期待されます。また改札機にタッチせずに改札を通過できる「ウォークスルー改札」や改札機がない駅での「位置情報などを活用した改札」の実現、クレジットカードや銀行口座と紐づけてチャージせずに利用できる「あと払い」機能の実装も計画されています。
タイムライン
JR東日本が発表した、新しい Suica の計画を時系列順にまとめてみました。
2025年3月：訪日客向けアプリ「Welcome Suica Mobile」をリリース
2025年3月、訪日客向けモバイルSuica「Welcome Suica Mobile」（iOS）の提供開始。日本入国前にアプリのダウンロードやSFチャージを可能とし、成田空港・羽田空港からJRや東京モノレール他の鉄道各線をシームレスに利用できるようにするインバウンド向けサービスです。
2025年秋：「Welcome Suica Mobile」がJR東日本の「新幹線eチケット（自由席）」や、「在来線特急のチケットレスサービス」に対応予定
2026年春：「Welcome Suica Mobile」がJR東日本の「新幹線eチケット（指定席）」や「在来線特急」「普通列車グリーン車」に対応予定
2025年春以降：長野エリアがSuica対応地域に
2025年春以降、Suicaが長野エリアで利用可能に。
2024年12月14日には地域連携が野沢温泉へ拡大。
2025年3月1日より地域連携が長野地域へ拡大。
2026年春には地域連携が松本へ拡大する予定です。
2026年秋：モバイル Suica アプリのリニューアル
2026年秋頃をめどに、モバイル Suica アプリが大型リニューアル。従来の上限額（2万円）を撤廃し、より高額の買い物ができるようになります。「コード決済機能」や「電子マネー残高の送金・受取」にも対応。おトクなクーポン、地域限定のバリュー（電子マネー）発行も予定。
2027年春：Suicaの利用エリアが1つに統合
2027年春頃、Suicaの利用エリア（首都圏、長野、仙台、新潟、盛岡、青森、秋田）を統合し1つに。JR東日本のSuica利用可能エリアなら、全線で Suicaで乗降可能に。Suica未導入エリアでも「スマホ定期券（仮）」が利用可能に
2028年以降：センターサーバー化、新しいSuicaアプリのリリース
Suica は2028年度以降も様々な機能刷新が予定されています。この年度に新しい「Suica アプリ」がリリース予定となっており、ここからセンターサーバー管理型の鉄道チケットの提供がはじまります。
一例は以下の通り
毎月3,000円のサブスクに加入すると運賃が50％割引となる（割引上限あり）
鉄道の日などの記念日に、駅ビルやイベントでの買い物により発酵される鉄道クーポン
ご当地Suica（仮）の提供
また今後10年以内に、チケットやSF（残高）もセンターサーバー管理に移行する計画です。従来はICカードに保存しているデータをセンターサーバーへ。これによりSuicaをタッチすることなく改札を通り抜けられる「ウォークスルー改札」や、位置情報を用いて改札設備がない駅でもSuicaで運賃を支払うことができる改札の実現も目指すということです。
