解約したいが2割、PayPay決済手数料有料化で


 

QR コード決済で最大手の PayPay(ペイペイ)が、10月1日より加盟店から得る決済手数料の全面有料化(最低1.6%)をスタート。追いかけるライバル他社は無料期間を延長するなどしており、競争がいちだんと激しくなっています。

こうした流れのなか、MMD研究所では 9 月に「2021年中小個人店経営者からみるQRコード決済調査」を実施。PayPay 加盟店オーナーのうち、手数料有料化以降も継続利用したいと回答した店舗オーナーが 37.0% いた一方で、解約意向が 21.8% にのぼっていることが明らかになりました。

調査概要

  • 調査機関 : 2021年9月17日〜21日
  • 有効回答 : 1,000人
  • 調査方法 : インターネット調査
  • 調査対象 : 22歳~69歳の男女で決済サービスの導入決定権を持っている、または決定権はないが自分の意見も反映できる立場にありPayPayを導入している店舗オーナー、決済サービスの導入決定権を持っている、または決定権はないが自分の意見も反映できる立場にあるQRコード決済未導入の店舗オーナー

PayPay決済手数料有料化で「解約したい」2割強

2021年10月1日以降、PayPay の手数料が有料化した後も PayPay サービスを継続利用したいかどうかについて、「どちらとも言えない」とひとまず様子見している割合が 41.2% で最も多く、次いで「有料化に関わらず継続利用したい」が37.0% となっています。

一方で、「有料になるまでは継続利用したい(無料期間が終わる時に解約する)」が17.6%、「今すぐ解約したい」が4.2%となり、解約意向を示しているオーナーも 21.8% いました。

継続理由1位は「キャッシュレス時代への適応」

継続利用したい理由で最も多かったのは「キャッシュレス時代に適応しないといけないと感じるから」で、47.6%。次に「最も使われているスマホ決済だと思うから」が 39.5%。「PayPayを導入しないことによる機会損失を減らしたいから」が25.9%で続いています。

非接触決済のメリットを感じている方は 21.1%、「売上の何割かがPayPayになっている」という回答も15%を超えています。

解約したい理由1位は「手数料をまかなえるほど利益がない」

一方で解約したい理由で最も多かったのは「PayPayにより手数料がまかなえるほど利益が生まれていないから」で、半数以上の 57.8% が回答。「導入後、売上が上がっていないから」が 23.9%、「導入したもののあまり使われていないから」が 19.3% で続いています。「顧客からの要望がないから」という回答も 9.2% あり、手数料を負担してまで導入メリットを感じられない店舗は少なくないようです。

PayPay解約後に導入したい他社サービスは「楽天ペイ」

PayPayを解約した場合、他社の QR コード決済サービス導入は検討されるのでしょうか。

PayPay解約後に導入を検討するQRコード決済サービスがあるかという質問に対して、18.3%が「他に導入を検討するQRコード決済がある」と回答。最も人気だったのは楽天の「楽天ペイ」で50.0%、次に「d払い」、「au PAY」、「メルペイ」が20.0%で続きました。

「楽天ペイ」は中小の新規加盟店を対象に22年9月末まで決済手数料0円などにするキャンペーンを展開。KDDI「au PAY」やNTTドコモ「d払い」も無料期間を延長するなどのキャンペーンを行っています。

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