3DS向けに『Metroid Prime: Federation Force』が発表され、再び動き出した『メトロイド』シリーズ。今回は携帯ゲーム機向けということで、据置ゲーム機向けの新作も気になるところですが、ひょっとすると僕らは現行機であるWii Uで『メトロイドプライム』新作を見られないかもしれません。
Eurogamer の取材に応じた任天堂の田邊賢輔氏は、『メトロイドプライム』のような大規模ゲームを制作する場合、コンテンツを盛り込むのに数年の開発期間を要すると述べ、今から制作を開始すると、ソフトが完成した時にはハードが移行している可能性を指摘します。
「今Wii U向けに『メトロイドプライム』をスタートさせた場合、開発には3年程度はかかりますから、そうなると、おそらくWii UではなくNX向けということになるでしょう。3年は長いかもしれませんが、多くのコンテンツを収録する必要がある開発サイドでの仕事量を考えるとそのくらいになりますね」
「NX」は任天堂が2016年に詳細を発表予定としている新しいゲーム専用機。据置機なのか携帯機なのかどうかもまだ不明で、任天堂はこの「NX」を、単純にWii U、あるいは3DSに置き換わる次世代機とは明言せず、「新しいコンセプトのゲーム機」とだけ伝えています。
田邊氏の発言は、NXがホームコンソールであることを示唆している?
田邊氏は「惑星を増やすのではなくて1つの惑星を作りこみ、時間軸を変更できるようにする」など、新作のアイデアを披露。ただ光と闇の相似世界が描かれた『メトロイドプライム2 ダークエコーズ』が、多くの人にとって難解過ぎたとの認識も持っており、タイムトラベル系のアイデアもそのまま実装するのは難しいと考えているようです。また別のインタビューでも答えていたように、スピンオフ作品を本編に結びつけるアイデアも。
今後の『メトロイドプライム』について、シリーズは3部作をもって完結を見ているものの、「可能であればナンバリングを続けたい」と田邊氏はコメント。
ではその新作はいつ発表されるのでしょうか。制作スタジオは?『メトロイドプライム』シリーズの主要スタッフが抜けたレトロスタジオ以外になる可能性もある?気になる点が盛り沢山ですが、
他スタジオとの提携は考えていませんし、任天堂として現状アナウンスできるものは何も無いんですと田邊氏。
また坂本賀勇氏が担当する『メトロイド』直系シリーズの話についても、自分の担当(田邊氏は『メトロイドプライム』のプロデューサー)ではないので話すことはできないとしています。
Wii UではGamePadを『メトロイド』シリーズの特徴である探索に大いに活用できそうですが、田邊氏はそのアイデアについては同意した上で、なぜ任天堂がWii Uで開発しなかった理由について「HDゲーム開発には多くの時間とリソースが必要です。僕はそれを行うためのチームやリソースを確保できなかったんです」と述べています。
もし『メトロイドプライム』路線の開発が現在全く進んでいないのだとすれば、このE3期間で味わったメトロイドファンの失望はさらに深いものとなってしまいそうですが、実際のところはどうなんでしょう。“今から開発するのなら”“坂本氏が担当する『メトロイド』の話はできない”という部分に望みを託したいところ。
任天堂はまた、この世代の据置型ゲーム機で中心となっている、オープンワールドに代表される大規模なソフト開発を避け続けています。この点も、今後ゲーム機ビジネスを続けていく上で、ファンのロイヤルティや任天堂プラットフォームが持つイメージに影響を与えそうです。既にその徴候は現れ始めているのかもしれませんが。