E3 2014での新型ゲーム機発表は無いとしている任天堂ですが、新興国向けには2015年にも新型ゲーム機を投入する計画であることを、改めて岩田社長がコメントしています。
ロイター通信の取材に対して任天堂の岩田社長は、「(Wii Uでもなく3DSでもなく)名前も違う。これまでとまったく異なるアプローチになる」とコメント。「ハード・ソフト一体型で、われわれは強みを引き出しやすいので、そこにはこだわりを持っている」と付け加えています。
岩田社長は現在先進国で展開しているハード・ソフトのビジネスモデルを「そのまま現地化する展開ではない」と強調。現地の中流層をターゲットに事業展開する方針で、「ミドルクラスのマジョリティに手が届くもの」を投入する予定でいるとのこと。
岩田社長は2014年1月の経営方針説明会で、
新市場においても、ハード・ソフトに関して、すでにビデオゲーム市場が確立している市場と同じ価格を受け入れていただける大変熱心なゲームファンのみなさんがおられ、これは大変ありがたいことなのですが、新市場の大多数のお客様にとっては、今のビデオゲームのハードやソフトの価格は、受け入れていただくのは難しいようです。
新市場開拓においても、ハード・ソフト一体型のビジネスという任天堂の強みを活かすために独自のハードウェアを活用することは、我々の選択肢としてなくしてしまうつもりはありませんが、少なくとも、新市場における真の意味でのユーザー拡大は、ハード・ソフト共に、先進国におけるゲーム機ハード・ソフトと全く価格体系が異なる製品群があってはじめて実現できると考えています。
と、新興国向けには先進国で展開する製品とは異なる製品を投入していく考えであると説明。
「任天堂は、任天堂のハードをお持ちになる前のお客様と、まずスマートデバイスでつながりをつくっていく」ということを目指していますので、このことは、新市場開拓においても重要な意味を持つことになると考えています。
このような形でお客様とのつながりができれば、スマートデバイスは、情報の流通、そしてコンテンツの流通の重要なインフラとしても活用できるようになります。
と続け、新興国において任天堂プラットフォームを売り込んでいく上でも、スマートデバイスが重要な役割を担うとしています。
比較的資金に余裕のある中流層がターゲットとはいえ、スマートデバイスを所持する消費者がさらにゲーム機を購入するハードルは決して低くはないと思われますが、任天堂がどのようなアプローチで臨むのか注目されるところです。