任天堂は30日、「経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会」の中で、低迷が続くWii Uや累計4,000万台以上普及したニンテンドー3DS事業の短期展望を明らかにしました。
Wii Uはハードの特徴を活かす
2年目に入ったWii U、任天堂はWii U GamePadの存在意義を徹底的に高める事に、短期的には重点的に取り組みます。
Wii U GamePad で実現するソフトの提案
任天堂はこの1年の間に発売したソフトでGamePadの魅力を十分に伝えられたとは考えておらず、またWiiから買い換えるメリットについても十分に伝えることが出来ていないと認識。この課題を、今年の商戦期に入る前にどうしても乗り越えておきたいと考えているとのこと。
そのために、「Wii U GamePad があるからこそ実現できるソフトタイトル」を提案することを、今年の最優先課題に置きたいと考えているとのこと。マルチプレイ前提のゲームでは幾つか活用例が見られますが、1人用でもそれを見せられるよう、宮本茂氏率いる開発部門の最優先課題の一つとして取り組みます。
NFC機能の活用
また、GamePadに予め搭載されていながら宝の持ち腐れになっているNFC機能活用についても、今年は本格活用が開始。Suicaを利用した決済機能の年内実現も含めて、複数のプロジェクトが進んでおり、6月のE3で発表するということです。
高速起動メニューの実装
さらに、初夏には本体更新を予定。直近に起動した幾つかのソフトを本体メニューを介さずGamePadに表示する高速起動メニューを実装する予定とのこと。この機能を実装することで、起動時間は体感で半分以下になるということです。
ニンテンドーDSのバーチャルコンソール
Wii Uバーチャルコンソールに、新たにニンテンドーDSソフトが対応します。
マリオカート8は5月
『マリオカート8』の発売日について、2014年5月となることが決定しました。単発で終わらないよう取り組んでいくとのこと。詳細や他タイトルについては、いつものようにニンテンドーダイレクト等で。
Wii Uは発売からこれまで、多くの店舗で常設の試遊スペースが用意されておらず、実際の雰囲気を直に確認できません。この点がなかなか魅力を理解してもらえない主因だと考えていますが、今年は触れられる機会が増えていくでしょうか。
注目されたWii Uのテコ入れですが、1年目のうちに解決しておきたい話ばかりで、今年も厳しいだろうなという印象は拭えません。深刻なソフト不足も解消されそうになさそうで、具体的にWii U事業立て直しの決定打になりそうな動きは、少なくともこの発表からは見えませんでした。
ただ将来的な任天堂プラットフォームへの先行投資の意味でも、色々実験的な提案は出てきそうではあります。
3DSは普及台数を活かし収穫期へ
ハード・ソフト共に目標を下方修正したものの、Wii Uとは異なりまずまず堅調な売上を見せているニンテンドー3DS。累計販売台数が4,000万台を越えて、従来のゲームハード発ではないスマートフォン発のタイトルでも成功例が出てきた中で、今年、来年と本格的な収穫期にすることを目指すとのこと。
ただ、ハード売上が目に見えて落ち込んできていますし、定番どころは去年までにほぼ出揃った中で、3DSをどう収穫期としていくのかについては、具体的に期待の持てる施策は明らかにされませんでした。