任天堂は18日、E3アナリストブリーフィングの質疑応答を公開し、プレゼン内で触れたF2P(基本プレイ無料)ソフトについて、一部のユーザーが高額を支払うことによるマネタイズは避ける方針であることを明らかにしました。
ソーシャル関連の話題が取り沙汰されたときやDLC導入時にも岩田社長は述べていますが、任天堂は「ユーザーと良好な関係を築き、かつそれを長続きさせること」を強く意識しています。今年度中に導入予定のF2P型ソフトについても、
Free to Play型ソフトは、バランスを逸してしまうと、一部のお客様にものすごくお金を使っていただく結果にもなりかねず、それではお客様との良好な関係が築けませんので、お客様との関係が長続きするように、バランスの取れた、お客様から見てリーズナブルなものにしていきたいと考えています。
と、広く浅く、常識的な範囲を越えた高額課金者を生み出す環境は避けたい趣旨のコメント。また、気になるタイトルについてですが、
マリオやポケモンのようなゲームをFree to Play型にしようと考えているわけではありません。なぜかと申しますと、マリオやポケモンのようなゲームは、パッケージソフトとして最初にまとまった金額を払っていただける信頼関係が、すでにお客様との間に確立できているからです。
と、任天堂の主要タイトルで、既にユーザーから信頼を得ているフランチャイズのF2P化はないとのコメント。さらに、
一方で、私たちが、何かまったく新しいチャレンジをするときに、お客様は「それがまだ面白いかどうかわからない」としたらどうでしょうか。お客様は、それにまとまったお金を払ってよいものかどうかわかりません。そのようなときに、過去の任天堂のプラットフォームではできなかった、さまざまな柔軟なマネタイズの仕組みがある今のプラットフォーム(ニンテンドー3DSやWii U)であれば、Free to Play型でご提案ができると思います。
と、岩田社長は続けています。
ニンテンドー3DSの本格的なDLC展開では『ファイアーエムブレム』が、Wii UのNFC機能活用では『ポケモンスクランブル』が採用されましたが、F2Pに関しては、既存IPに限らない可能性が高まってきました。
お金にまつわるキャラクターといえば、任天堂からはワリオやチンクル辺りが思い浮かびますが、彼等がF2Pタイトルで、任天堂の哲学に準じた上でマネタイズを出来るほど幅広い支持を受けるのはなかなか難しそうなので、完全に新規IPなのかもしれません。