N64時代のようなソフト供給ペースと、ゲームキューブのようなハードウェアセールスという、『Wii』の名を継いだのにも関わらず、隔世遺伝のような状態となってしまっている任天堂のWii Uですが、普及を進めるためには“新たなキラータイトル”が必要だとキュー・ゲームスのプレジデントディラン・カスバート氏は述べています。
海外サイトSiliconeraのインタビューに応じたカスバート氏は、任天堂はWii Uのために日本や西洋で何を成すべきかという質問に対し、「ソフトでしょうね」と任天堂ソフトに携わってきた身としての考えをコメントしました。
「任天堂にはおそらく新規のキラータイトル、それは特別なIPであって、猛烈に人々の興味をそそるタイトルが必要になってくるでしょうね。とはいえ、任天堂は常にそうしたタイトル・アイデアを提案してきます。任天堂はいつだって非常に革新的な会社です。
初見ではよい印象をもたれなかったニンテンドーDSの時ですらも、数億本を販売し、多くのイノベーティブなタイトルが生まれました。だから今回も、任天堂はWii Uをより多く売るタイトルを見出すだろうと思っています。誰も『Wii Fit』が1,500万本も売れるとは思わなかったでしょう?」
キュー・ゲームスは、2001年にディラン・カスバート氏によって設立された京都にあるゲーム開発会社で、NDS『スターフォックス コマンド』や『DIGIDRIVE』等DSiウェアを数多く制作。任天堂ゲーム機用の最新作は、3DS『スターフォックス64 3D』です。
カスバート氏はスーパーファミコンで発売されたオリジナル版『スターフォックス』の開発にも関わっており、任天堂とは長い付き合いがある人物です。
パッケージタイトルの販売が世界的に著名AAAタイトルに偏りつつある中で、任天堂もシリーズものの続編偏重になってきています。3DSにおいても、パッケージタイトルの新作は続編あるいは既存シリーズの新作が殆どで、新規タイトルはダウンロードソフトで展開されています。
ハードウェアの普及と拡大のためには新規IPも外せませんが、Wiiにおける『Wiiスポーツ』のようなタイトルを、はたして任天堂はWii Uで生み出せるのかどうか。そして『F-ZERO』や『スターフォックス』など、新作が期待されるもののセールスの限られるフランチャイズの存亡など、いずれにせよ任天堂の発表タイトルは今後も注目されます。